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2018.02.08

【関東高校選抜大会・特集】日体大柏(千葉)が登場して、千葉県の勢力図はどう変わったのか―。

(文・撮影=増渕由気子)

恩師の小出日出夫監督(左)、千葉のレスリング委員長、吉田雅明先生とともに

 千葉県の日体大柏が8階級中4階級を制した関東高校選抜大会。大河原蔵之介(千葉・四街道)は60kg級の準決勝で小田嶋大樹(神奈川・日大藤沢)を破って決勝に進出したが、萩原大和(埼玉・花咲徳栄)にテクニカルフォールで敗れて準優勝に終わった。

 この大会は、3月下旬の全国高校選抜大会の予選でもあり、ベスト8に進出すると出場権を獲得できる。大河原は「去年は6月の関東高校大会のグレコローマンで優勝したけれども、3月の全国選抜大会やインターハイなど全国大会には1度も出ることができなかった。決勝で負けたことは悔しいけれども、全国大会を決められてよかった。全国でも活躍できるようにしたい」と前を向いた。

 大河原を指導する小出日出夫監督は「バランス感覚にすぐれていて、練習も全部自分でできる選手。これからどんどん伸びる」と太鼓判を押す。

準決勝で闘う大河原(青)

 千葉県はこの数年で勢力図ががらりと変わった。茨城・霞ケ浦の監督だった大澤友博氏を招へいした日体大柏(当時は柏日体)が、いきなり全国で活躍し、創部2年目でインターハイの学校対抗戦を制覇。その後も県予選の代表を独占している。千葉県には15校のレスリング部の登録があり、県大会の学校対抗戦には5チームがエントリーする。その中で日体大柏の強さが際立つ構図となった。

 日体大柏が創部した当時を、千葉県の吉田雅明レスリング委員長(県協会常任理事=千葉・佐倉西高教)は、こう振り返った。「当時、2、3年生だった生徒たちは、いきなり強い選手が現れて、『僕たちの全国の道は?』と思ってしまった選手もいました。けれども、野球やサッカー然り、ほかの競技に置き換えたら、当たり前のこと。千葉県はサッカーが強くて、市立船橋と流通経済大付柏が双璧です。その2強を倒さないと全国の道はないけれども、それ以外の学校でもサッカーは盛んに行われています。去年の世界選手権では千葉出身の須崎優衣が金メダルを獲り、千葉県全体のレスリング界は活気づいています」。

他県に出ても、全国制覇のためには日体大柏と闘わねばならない!

 千葉県の県立高で全国大会の切符をつかんだ大河原に、日体大柏の存在を聞いた。「僕が高校に進学する時点で、すでに日体大柏にレスリング部がありました。練習環境はいいのかもしれないけど、うらやましいとは思わないです。僕の中では、県立高で頑張って練習して、強いところに勝つことが、かっこいいと思っている」と、日体大柏の存在をむしろ力に変えている。

表彰台の一番高いところはお預けに(左端が大河原)

 千葉県のキッズクラブは盛んだが、そのアクセスの良さから、地域によっては他県に人材が流出する傾向があったが、大河原は千葉県に残ることを選んだ。「千葉県に育ててもらったから、ここで強くなりたいんです。日体大柏があることで他県に出た選手もいましたが、他県に出ても全国で対戦するのは日体大柏です(笑)。だったら、県内で毎回対戦した方が情報も得られるし、勝つチャンスを見出せると思うんです。もし、勝てたらすごい自信になりますし」。

 大河原は、まだメンタル面に課題があり、学校名や対戦相手の肩書に負けてしまう時があるようだ。県予選から日体大柏と何度も対戦することで、経験値を上げてきた。今回の結果もその効果が出たのかもしれない。

 3月には高校生になって初めて全国大会に出場する。大河原は「大学に行っても競技を続けたい。選抜、インターハイと出場してアピールしたい」と活躍を誓っていた。







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