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2018.03.28

【2018年全国高校選抜大会・特集】5人のチームで日体大柏を追い詰めた! 「相手が強かった」と杉山慶太監督(静岡・沼津城北)

(文・撮影=樋口郁夫)

選手にアドバイスを送る沼津城北・杉山慶太監督(右)

 2組の堤兄弟のパワーで注目されている沼津城北(静岡)が、全国高校選抜大会・学校対抗戦の3回戦で日体大柏(千葉)と対戦。50kg級の堤孔一が勝つ幸先いいスタートを切り、55kg級の堤太一も昨年のインターハイ50kg級王者を相手に4-0とリード。日体大柏の猛威をストップさせる流れをつくったが、終盤に4点技を受けてしまって逆転負け。最後はチームスコア3-4で無念の黒星となり、昨年に続く表彰台はならなかった。

 意地は見せた闘いだった。重量2階級(74、120kg級)が不在。84kg級は奥井真吉という安定した選手がいる相手に対し、66kg級までの“4人の堤”で4勝することが勝つための条件だった。堤太一が敗れた段階でチームの勝利は厳しくなったが、60kg級の堤泰樹が勝ち、66kg級の堤滋樹も終盤に逆転のがぶり返しを決めて勝利。あきらめない姿勢を見せ、日体大柏の“一強独占時代”の到来に「待った」をかける奮戦だった。

 杉山慶太監督は「やっぱり(日体大柏は)強い。底力があるというか…」と王者の強さをたたえた。勝負だった55kg級は、4-0になった段階で、2点はやってもいい状況だった。こうした場合、「2点はやってもいいぞ。無理にこらえるな」と指示するのも、勝つためのひとつの作戦ではあろう。だが、その失点がもとで、さらに2点、4点、と取られてしまうケースも少なくない。

 杉山監督は「1点でもやったら駄目だ」というアドバイスを送った。堤太一はその意識が強かったのか、相手の攻撃を必死にこらえるうちに両肩をマットに向けてのテークダウンを取られてしまった。結果論で指示の是非を論じることに意味はない。要は、杉山監督の「相手が強かったんです。去年の選抜とインターハイを取ったチームだけのことはあります」という言葉に尽きる。

練習の成果を出せた内容には満足

 大会に向けて、選手には「最低でも3位」などといった目標設定は一切しなかった。「去年、選抜とインターハイで2度3位になっている。もう優勝しなかい」という意味だ。組み合わせが決まって日体大柏と3回戦で当たることが分かっても、動揺はなかった。「5人しかいないから、軽量級がやられるとそこで終わる可能性がある。日体大柏以外のチームに負ける可能性もあったチームです。日体大柏と早いうちに闘えるのは、いいことだって思いました」。

勝負の行方は見えたが、意地を見せた66kg級の堤滋樹(青)

 敗れたものの、勝った選手は終盤の粘りがものを言っての勝利。「ラスト1分での逆転勝ちを目指した練習を何度もやってきました」。その成果を出せた闘いに、負けた悔しさの中に満足感もちょっぴりあるに違いない。「(日体大柏は)最大のヤマを超えたと思ってくれているのではないでしょうか。そう思ってほしい。そうだったらうれしい。優勝してほしいですね」と話す杉山監督は、「もう一度、チャレンジしたい」とも。

 5人でここまで闘った戦力なら、当然インターハイでも対戦できるだろうと思われるが、静岡県内には飛龍、焼津水産という強豪校があり、いずれも軽量級に強豪を擁しているという。不在だった2階級のうち1階級(階級区分変更によって71kg級)は埋まりそうだが、いきなり学校対抗戦で勝てるものかどうか。確実に県予選を突破できるかどうか分からない状態だと言う。

 だが、そうした熾烈な闘いを経験してこそ、選手もチーム力も向上する。日体大柏を追い詰めた自信をもとに、各選手がどこまで力を伸ばすか。沼津城北の全国制覇へ向けた闘いは、まだ終わっていない。







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