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2018.04.10

【2018年男子フリースタイルW杯・特集】3位決定戦出場選手の声

(4月8日、米国・アイオワ、取材=保高幸子)


 ■井上謙二監督(自衛隊)「(33年ぶりにW杯でメダルを獲得)初日を終えた時、『最終日の2試合に絶対に勝ってメダルを下げて帰ろう』と話した。選手たちはだれもが『メダルを取ろう』と気持ちが高まっていた。軽量級は3階級で負けなしの全勝。一番手でなくとも世界でトップであることを見せてくれた。重量級も、“未成功”なだけで、悪くなかった。気持ちで挑めていない部分があった。

 この大会は勝ちにこだわった。これに向けて、協会幹部、本部長に理解いただいた。ここ数年のW杯よりも大幅に多い17名の選手と4名のコーチの派遣を了承いただき、感謝しています。その責任を結果で返すことができ、ホッとしています。大会では全17選手に出場させ、17名全員の力でメダルを獲得できた。3位決定戦で勝利を決定させたのは山本泰輝だが、それまでの各選手の1勝、1ポイントがあって勝ち点をつなげてくれた。個々の力を結集させ、プレッシャーの中で勝ってくれ、結果を出せた。

 ロシアとイランが出場していないので、まだ世界3位の実力とは言えないが、当初目標としていたのは5位以内。ロシアとイランがいても、それは達成できた。目標を与えれば、一つ一つ乗り超えて、強くなってくれている。今回成功したこと、チャレンジしたが不成功だったこと、チャレンジする気持ちを作れなかったところ、これらを顧みて今後や普段の練習に活かしてつなげていきます。失敗しても良いからチャレンジすることが大事。やってみないとわからないことが多くある。

 このあとは移動してペンシルベニア州立大で合宿。練習試合もある予定なので、さらに経験を積んでもらいたい」

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 ■57kg級・高橋侑希(ALSOK)「3位決定戦にはキューバが来ると予想していた。(自分の相手は)U-23世界王者なので厳しい闘いになると思ったけど、シニアの世界王者として、負けるわけにいかない。必ず勝って流れをつくらなければ、と思い硬くなってしまった。勝ててよかったけど、試合に出る度に課題や反省点が見つかる。6月の全日本選抜選手権に向けて直していきたい。後輩の小栁和也(61kg級=自衛隊)が格上のキューバのボンを破って、とてもうれしかった」

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 ■61kg級・小栁和也(自衛隊)「相手は世界3位。正直、勝てるとは思っていませんでしたが、強い選手と試合できるのはチャンスであり、思い切って行こうと思いました。最初のタックルが決まった時、相性がいいと感じ、行けるぞ、という気持ちになった。中村倫也さん(博報堂DYスポーツ=昨年の世界選手権で対戦)にアドバイスをもらい、相手が何をしてくるか分かっていたのも大きいと思います。(高橋)侑希さんが勝ってつなげてくれた。日本が世界3位だと見せることができてうれしいです」

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 ■65kg級・高谷大地(自衛隊)「合宿、遠征、試合とスケジュールが大変で、メンタルはボロボロでした。時差ボケもあり、眠れないなどで神経がすり減っていました。初日に60点くらいの試合をしてしまいましたが、3位決定戦のメンバーに選ばれたからには思い切りやろうと頑張りました。最初に8点リードされ、タックルも見切られてグラウンドもうまく、すぐに相手の強さを感じました。3−8になって、あと3回タックルに入らなければ負けるのか、と考えていたら、相手がばてていた。止まって見えて、冷静にイメージ通り動くことができました。米満達弘コーチ(自衛隊)に『おまえのタックルは世界一速い』と言ってもらったこと、そして西口先生(茂樹=強化本部長)の『行かなあかんぞ』という声が頭の中で聞こえて、ここでいかなければ高谷大地の名がすたる、という気持ちでした」

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 ■70kg級・乙黒圭祐(山梨学院大)「久しぶりの団体戦でした。自分がやることをやるだけ、という気持ちでいました。キューバの選手とは練習も試合もしたことがなかった。よく『気づいたら入られていた』というのを聞いていましたが、初めてその瞬発力を体験しましたが、やり方次第で勝てる相手だと、今は思います。いい経験になりました。自分が負けても、みんなの力で銅メダルを取れて、うれしい。これが団体戦の良さだと思います」

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 ■74kg級・藤波勇飛(山梨学院大)「きのうのアメリカ戦でジョーダン・バローズに負けたので、今日はしっかり勝ててよかった。この最高のチームの一員としてメダルを取れて、よかったです。レスリング人気の土地で、大きな会場で試合ができて、うれしかった。日本とはスケールが違いますね。楽しかった。また出場したい。今日のヒーローは山本泰輝(拓大)ですね」

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 ■79kg級・高谷惣亮(ALSOK)「気負ってはいけないけど、僕が勝つことはチームの勝利にとって必ず必要だと思って臨みました。キューバの相手は未知数だったので、できるだけ早く仕掛けてこちらの試合にしようと思って、すぐにタックルにいき、アンクルホールドで終わらせました。W杯でメダルをとるのは価値がある。みんなで頑張ってきた結果が出て良かったなと思います。W杯は、前々回1勝3敗、前回2勝2敗で、今回は3勝1敗。外国選手との闘い方に慣れてきた。負けてしまったアメリカ戦は、課題が分かっているので世界選手権でリベンジしたい」

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 ■86kg級・白井勝太(日大大学院)「初日のジョージア戦で実績もある相手に勝て、シニアの国際大会初勝利を挙げられたのはホッとしました。(3月の)アジア選手権で結果がなかったので、この大会はどういう形でも勝っておきたかった。キューバ戦では課題にしていることが結局できず、克服しないといけないとあらためて思いました。負けはしましたが、ポイントを取り、3位入賞に貢献するための最低限の仕事はできたのかな、と思います」

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 ■92kg級・石黒峻士(日大)「キューバ戦は4−4のビッグポイント差で負けましたが、最後にタックルに入り、ポイントにつなげられたのは今回の収穫です。強豪と闘うチャンスもらえたのに、予選リーグ3試合は自分のレスリングが全くできず、悔しかった。レスリングを辞めてしまいたい気持ちになった。3位決定戦であのような試合ができたのは、コーチとチームの皆さんに励ましてもらえたから。思い切り、自分の力をしっかり出せました」

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 ■97kg級・園田平(自衛隊)「3位決定戦はみんながいい雰囲気で、負けたとしても圧倒的な負けはなく接戦だった。自分もやれるだけやらなければと思い、頑張りましたが、この結果(テクニカルフォール負け)。最後の(山本)泰輝に重大な役目を与えてしまい、申し訳なく、泣きながら応援しました。世界トップとの差を知ることができたので、明治杯(全日本選抜選手権)、そして今後に向け、近づけるようがんばります」

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 ■125kg級・山本泰輝(拓大)「自分の試合内容でチームの勝敗が決まる、という状況はワクワクしました。大学のリーグ戦でも、そういう時は緊張よりも興奮が上になります。みんなに『コーション1ポイント取れば、試合に負けても(チームは)5戦5勝の内容差で勝てる』と言われたのですが、僕はそうやって作戦の通りにうまくやれるタイプではないので、攻めるしかないと思って、得意のハイクラッチをずっと狙っていた。リードした時、「このまま守れば勝てる」という考えが浮かんだけど、みんなの応援を受けて、100℅守りに入る気持ちにはならなかった。そのあと逆転されてしまって、「(個人で)全試合負けての3位にはなりたくない。勝ちたい」と思いました。みんなの声が聞こえて、後押しされて、入ることができ、場外ポイントの1点を取れました。勝てましたが、まだ一人ではできないんだな、と自分の弱さが分かりました。最後に自分の力でチームを勝たせられるのは、最重量級の特権。勝ちを決めたとき、本当にうれしかった。試合で叫んだのは初めてでした」







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