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2018.06.05

【特集】世界選手権の3週間前に出場断念! 今年の世界選手権で“Wリベンジ”を目指す…女子65kg級・伊藤彩香(東新住建)

伊藤彩香

 昨年の世界選手権(フランス)63kg級の出場を決めながら、大会の3週間前に左足アキレス腱断裂の負傷を負って出場を辞退した伊藤彩香(東新住建)が、6月14日(木)から東京・駒沢体育館で始まる明治杯全日本選抜選手権に復帰参戦する。

 当日計量が実施されたためか、出場階級はこれまでの中で最も重い階級となる65kg級(15日実施)。それだけでも未知の領域だが、新進気鋭の源平彩南(至学館大)が頂点に君臨し、19歳でアジア選手権(キルギス)2位と力をつけている今井海優(自衛隊)がいて、世界選手権出場経験のある栄希和(ジェイテクト)もいる。

 「厳しいですね」。手探り状態での闘いとなる復帰大会でどこまでできるかは分からないものの、「去年の世界選手権に出場できなかった分、今年は出たいという気持ちです」と燃えている。世界選手権が実施されるハンガリー・ブダペストは、唯一出場した2013年大会の開催地でもある。今年出場すれば、昨年と2013年の3位決定戦で逆転フォール負けしてメダルを逃した両方の悔しさの晴らす大会となる。

今度けがしたら引退を決意していたが…、その気持ちはなかった!

 選手生活が長く、いろんなところの負傷を経験してきた。2013年は予選で肩を脱臼し、満身創痍での世界選手権出場。大会後は手術に踏み切った。社会人になり、「今度、けがをしたら引退する」と口にしていた。だが、アキレス腱断裂の負傷をしてしまった時は、その気持ちはなかった。

2013年世界選手権、右肩を負傷しながら闘う伊藤=撮影・保高幸子

 「すぐ手術が決まり、復帰までそんなに時間がかからないみたいでした。翌年(2018年)の明治杯には出られそうでしたから…」。だが、それが“後付け”の理由であることは明白。レスリングから離れられない、が理由であることは言うまでもない。

 手術を受け、世界選手権の出場選手が日本を発ったあとに退院。自宅で世界選手権の情報をチェックした。「自分ならどこまでやれたかな、なんて思いながら見ていました。そのあとも、全日本選手権、ワールドカップ(高崎市)…。人の試合を見てしまうと、自分ならこうやるけど、なんて考えてしまうんですよね」。戦列を離れていても、レスリングに目がいってしまう。

 「本格的」と言える練習は今年3月から。手術してから7ヶ月で試合出場を意識した練習復帰を果たせたのだから、順調な回復と言えるだろう。絶対的な練習量は足りず、ばん回したいところだが、「やりすぎると、また痛くなる。抑えながらやっています」と、ブレーキをかけながらの毎日。地力を信じて闘うしかない。

“メダル・コレクター”も、「世界のメダル」がないから喜びはなし

 練習場所の至学館大では全日本のトップ選手がそろっており、自分の実力をはかるのには最適の環境。「今まで自分の得意だったことができなかったり、思った通りに動けないことも、まだまだあります」と、回復途上であることを強調するが、マットでの練習ができなかった分、上半身の筋力トレーニングを積んだことでのパワーアップは感じている。

明治杯全日本選抜選手権に向けて練習する伊藤

 「選手としては非力な方でした。普通の選手くらいになれたかな、って感じです」。あと、食事のことを以前より考えるようになったのも、けがとの闘いを通じて得たことだという。

 2011年のアジア・ジュニア選手権(インドネシア)で優勝して以来、出場した11度の国際大会のうち9度でメダルを獲得。2013年世界選手権で5位になったあとは、アジア選手権2位を含めて7大会連続でメダルを手にする安定した実績を持っている。

 しかし、そのうちの金メダルは米国での2度の国際大会だけ。「オリンピックや世界選手権のメダルがないですし、何とも思いません」。目指すは世界選手権のメダルであり、世界の頂点だ。

 戦列を離れていた間でも、会社は応援し、ケアの部分でのサポートしてくれた。「会社だけではなく、いろんな人からの応援を感じました」。その思いを明治杯のマットにぶつける。







2023年世界選手権/激戦の跡
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