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2018.06.23

【全日本選抜選手権・特集】「苦しかった」半年間をばねにして、さらなる成長を見せて3連覇…女子50kg級・須崎優衣(早大)

(文=八木賢太郎、撮影=矢吹建夫)

フォールのチャンスに、須崎優衣はこん身の力をこめて入江を押さえた

 全日本選抜選手権で注目を集めた階級の一つの女子50kg級は、須崎優衣(早大)が決勝で昨年の全日本選手権準決勝で敗れた入江ゆき(自衛隊)にフォール勝ち。世界チャンピオンの威厳を取り戻すとともに、3連覇を達成した。

 「この半年間は、長いようでもあり、あっという間でもありました」。中学時代からの全成績が確認できる日本協会データベースで、「1」がずらりと並ぶ須崎の記録の中に、2つだけある敗戦。それが、高校1年の時に初出場した全日本選手権の2位と、昨年の全日本選手権の3位。

 どちらも対戦相手は入江だ。特に昨年末の敗戦は、小学校3年生で日本一になって以降、おそらく初めての「決勝の舞台に上がれない」経験だった。

 「全日本選手権で負けたことで、アジア選手権(2月、キルギス)やワールドカップ(3月、群馬・高崎)の代表に選ばれず、自分じゃない選手が闘っている姿を見て、本当に悔しい思いをし、苦しかった。ここで優勝して世界選手権に行くしか自分に道はない、と。その強い執念と信念で優勝できたと思います」。

 日本代表チームを外れていた間、国内では4月のジュニアクイーンズカップで優勝し、9月の世界ジュニア選手権(スロバキア)への切符は手に入れた。だが、2月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)で2016年リオデジャネイロ・オリンピックの銀メダリストをも破った須崎が、その視線の先に見据えるのは、「ジュニア世界一」ではなく、「世界選手権連覇」の称号のみだ。

大学進学で練習環境も変わり、幅が広がった

 この半年間、自分自身の弱点や課題を徹底的に洗い出した。「崩しが全然できていなかったので、崩してからのタックル練習を特に重点的にやってきました。決勝のフォールも、以前はあの体勢から逆に倒されることが多かったんですけど、半年間、体幹を強化してきたことが生きたと思います」。

優勝を決め、両手で顔を覆った須崎

 4月からは早大に入学。大学生となって練習時間も増えたことで、以前よりも筋トレなどに時間を費やせるようになり、男子選手と練習できる新しい環境も得た。「男子はスピードが速いし、力も強いので、どうしたら男子に勝てるかを考えることで、自分のレスリングの幅も広がって成長できたと思います。準決勝で出したアンクルホールドは大学の仲間から教えてもらった技です」。

 オリンピック金メダリストの登坂絵莉(東新住建)も出場した階級での優勝とあって、マスコミの注目度も高い。試合後の囲み取材では「大学生っぽく新歓コンパに行ったりはしないの?」などレスリング以外の質問に、いつもはきはきと答える須崎が答に窮して戸惑う場面もあったが、それもひとえに世間が須崎を“次世代のスター”として期待しているからこそ。

 その期待に応えるためにも、3週間後に迫ったプレーオフは「絶対に負けられない」と誓う。対戦相手は、世界でただ1人だけ須崎に土をつけてきた入江。今回の勝利で対戦成績は須崎の3勝2敗。6度目となる対戦、勝利の女神はどちらに微笑むのか?







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