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2018.06.26

【全日本選抜選手権・特集】代表権は“順番待ち”ではなく、奪い取るもの…男子フリースタイル74kg級・保坂健(自衛隊)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

決勝で闘う保坂健。全日本レベルの大会で初優勝を遂げた

 代表権は順番で回ってくるものではない、自らの手で奪い取るもの-。全日本選抜選手権の男子フリースタイル74kg級で初優勝を飾った保坂健(自衛隊)は、2度目の世界選手権出場に王手をかけ、決意を新たにした。

 同級本命と見られていた全日本王者で昨年70kg級世界選手権銅メダリストの藤波勇飛(山梨学院大)がけがのため欠場。7月7日のプレーオフでの一発勝負にかけたことで、全日本選抜選手権のトーナメントは藤波への挑戦権をかけた闘いとなった。保坂は「藤波選手が不在のチャンスを逃したら、次はないと思った」と、期する思いでマットに上がった。

 初戦は相手が負傷棄権をしたため、実質、準決勝の吉田隆起(拓大)戦と決勝の三輪優翔(日体大)戦の2試合に勝っての優勝だった。社会人4年目の保坂にとって「学生が相手でやりやすかったのではないか」という質問が飛ぶと、保坂は真っ向から否定した。「最近の学生は、ちびっ子出身の選手ばかりで、社会人との実力の差はない。一レスラーとして、集中して対戦しました」。

 2012年ロンドン・オリンピック以後、レスリングのトップ選手の年齢層は男女ともぐっと下がっている。顕著だったのは、20歳だった樋口黎(当時日体大)が2016年リオデジャネイロ・オリンピックで銀メダルを獲得し、2017年は21歳の文田健一郎(当時日体大)が世界チャンピオンになったことだろう。

「26歳」は、もう勝ちに行かないといけない年齢

 保坂は「自分が学生時代の時、代表選手は20代後半の選手が多く、学生はチャンピオンになれなくても仕方ない、という雰囲気がありました。日本代表の座は、社会人になって数年経てば順番で自然に来るものだと、のんきに考えていました」。

優勝を決め、セコンドの自衛隊コーチと喜ぶ保坂

 今年26歳となる保坂は、一昔前なら“これからの選手”として注目される年齢だったが今は違う。「順番待ちしてる自分の甘さに気がついたのは、春のワールドカップ(米国)に参加した時ですね。周りが年下ばかりで、年上の先輩は数えるほど。もう、勝ちに行かないといけないんです」。くしくも、昨秋に米国コーチ留学から帰国した米満達弘コーチが2012年ロンドン・オリンピックで金メダルを獲得した年齢も26歳。ここ数ヶ月で勝ちたい願望がぐっと高まってきたようだ。

 プレーオフの相手の藤波も22歳の学生だ。保坂は年下の藤波に敬意を払いながら意欲を燃やしている。「すべてがすごい選手。だからこそ、どんな形でも勝つしかない」。スピードやタックルに定評のある藤波だが、保坂もスタンドからの攻撃を得意とする選手で知られている。

 「最近は、鈴木豊コーチと30秒間で自分の攻撃を仕掛ける練習を積んできました。どんな状態でも、その時のベストを出せるように効果が出ています。プレーオフでも、組み手を制して勝機を見出したいです」-。

 4年前、ウズベキスタンでの世界選手権に70kg級で出場した時は、世界選手権とアジア大会に別選手を派遣する強化本部会の方針で、チャンピオンではない保坂に“順番”が回ってきての出場だった。「あれは、自分の中では出たことになってない」。今度こそ自らの手で出場権を奪取できるか。







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