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2018.07.02

【特集】トップ選手も試合が終わればすぐ合流、大会運営で補助員を務める安部学院高(東京)

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)

大会を支える安部学院高校レスリング部員

 先日行われた明治杯全日本選抜選手権で、表彰式になるとプレゼンターの隣で賞状やメダル授与のアシスタントを行っている女子高校生がいる。高校女子レスリングの“東の強豪チーム”、東京・安部学院高校の生徒たちである。

 同校の成富利弘監督が、全日本レベルの大会で15年以上、総務副委員長として大会運営の会場づくり務めていることから、安部学院高校の学生たちも補助員として運営に参加してきた。成富監督は「明治杯は世界選手権代表が決まる大切な大会です。選手の憧れであり目標とする大会の一つですよね。出場させて優勝させることが監督としての務めですが、生徒には、もう一つ大切なことを学んでもらいたくて補助員を出しています」と切り出した。

 「大会に行けば、マットが敷いてあって、審判員がいて、机や椅子、そしてジャッジペーパーなどの小物類まで必要なものがそろっている。選手は試合をして帰るだけ。でも、大会とは、運営側の裏方がいて初めて成り立つことですよね。これを、補助員をすることで理解してもらいたいんです」。

昨年の全日本選手権から手伝ってくれている一般生徒の3年生。左から長谷部里佳さん、青柳まなさん、吉原沙弥夏さん。自主的に手伝ってくれているという

 会場設営から大会中のさまざまな補助作業、ジャッジペーパーの準備やお弁当の運搬、来賓のお茶入れ、そして式典進行や片付けと仕事内容は多岐にわたる。

 女子は、高校生であっても全日本のトップ選手が多数生まれている。昨年、高校生で世界女王に輝いた須崎優衣(現早大)など、JOCエリートアカデミー所属の選手も多数受け入れてきた安部学院高校では有力選手が目白押し。天皇杯全日本選手権に出場する現役選手と卒業生選手を会わせた数は、ここ数年、1位を占めている。

 須崎のように、大会の目玉選手として注目を一身に浴びた選手もいたが、成富監督は「特別な選手を特別扱いしない」がモットー。須崎のようなスター選手であっても、試合が終わった直後から補助員として運営に合流させてきた。

全日本選手権、ワールドカップに続いてサポートしてくれた元マネジャーのOG、河野真実さん

 成富監督は「明治杯、天皇杯は大会すべてが教育の現場。スター選手には裏方の重要性を認識してもらい、これからの選手には日本最高峰の大会を間近で見ることで、自身への刺激にしてほしい」と狙いを話す。試合がない選手も、学校の協力や理解もあり、授業がある平日であっても補助員での参加を認めてもらっている。「この大会に携わることで、自分が将来なりたい方向を見つけてほしい」。

 レスリングの指導以外にも力を注ぐ成富監督。「今回うれしかったのは、OGの大学生(福島宇美選手=現明大)で、『試合が終わったので、何か手伝うことありますか?』と申し出てきた選手がいたことです。大会運営に興味がある学生がいたら、ぜひ一緒に大会を盛り上げたい」と、今後の大会発展に意欲を燃やしていた。







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