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2018.07.17

【特集】U-23世界王者破る殊勲! 社会人3年目で全国初制覇の男子グレコローマン67kg級・上垣勇二(自衛隊)


(文・撮影=増渕由気子)

高卒で入校し世界5位になった清水博之コーチ(右)のように世界での活躍が期待される上垣勇二

 自衛隊3年目で社会人タイトル獲得! 全日本社会人選手権の男子グレコローマン67kg級は、20歳の上垣勇二(自衛隊)が森俊樹(森エンタープライズ)を4−0で破って大会初優勝を遂げた。

 同級はオリンピック階級であり、現在の日本トップ選手は今年のアジア大会&世界選手権代表の下山田培(警視庁)や昨年の世界選手権代表の高橋昭五(警視庁)。若手の社会人選手が活躍中だ。そこに割って入れる才能の片鱗を見せたのが上垣だった。ハイライトは準決勝の河名真寿斗(クリナップ=昨年のU-23世界選手権59kg級優勝)戦。リフト技を決めて6−3で勝利した。

 河名の現在の本来の階級は60kg級だが、昨年の国体は66kg級(旧階級区分)に出場して優勝するなど、上の階級でも通じる実力の持ち主。59kg級世界王者の文田健一郎(ミキハウス)やリオデジャネイロ・オリンピック59kg級銀メダルの太田忍(ALSOK)らに次ぐ実力がある選手と注目されている。

 その選手に完勝しての優勝に、上垣は「自分は失うものが何もないので、U-23の世界チャンピオン相手でもガンガンいけました。実は、全国チャンピオンになるのは初めてなんですよ!」と、うれしそうに話し始めた。

初の全国制覇を成し遂げ、1番ポーズをとる上垣

 小学校時代に兄の影響でレスリングを始めたが、中学まで本腰を入れていたのは柔道。憧れは、オリンピック3連覇で有名な野村忠宏さんだった。中学2年ごろに柔道のルールが大幅に改善され、得意だったり魅力を感じていた技が一気に禁止になってしまった。「もう柔道はいいかなって思い、高校は大和広陵(奈良)でレスリングをすることにしました」と、高校からレスリングを本格的に始めた。

 柔道にないレスリングの魅力を問うと、「柔道の場合、完璧に投げられたら一本負けになる。レスリングは4点を取られるものの、試合は終わりにはならない。まだ次のチャンスがあるところが魅力」と話す。柔道のベースがあったからかグレコローマンが得意で、高校時代は60kg級で全国高校生グレコローマン選手権と国体3位の記録を残した。

高校から自衛隊経由で世界に羽ばたく選手が増えている

 「自分は遅咲きだった」。大学スカウトにかかるような結果を出せなかった上垣に、大和広陵高校の恩師、森太郎監督が進めてくれたのが自衛隊だった。「本気でレスリングができて、親にも(学費の面などで)迷惑をかけないというメリットがあった」。自衛隊員としての1年間の教育期間を経て、昨年4月から体育学校に入校して今に至る。

2015年全国高校生グレコローマン選手権で3位に入賞した時の上垣(右端)

 決勝では、初優勝を目の前にひときわ大きな声援を送る自衛隊のコーチがいた。全日本コーチの清水博之(自衛隊)だ。自身も高校から自衛隊に入り、全日本のトップ選手となって世界選手権5位の成績を残している。高卒で入ってきた上垣には、やはり思い入れがあるようで、「高卒の選手たちも伸びてきています。盛り上げていきたいです」と、コーチとしての腕を鳴らす。

 高卒選手の躍進を象徴するのが、グレコローマン87kg級でアジア大会&世界選手権代表の角雅人や、全日本選手権63kg級で優勝した井ノ口崇之だろう。上垣も「角さん、井ノ口さんなどが優勝している。自分も自衛隊で頑張っていれば、大きなタイトルを取れると思う」と青写真を描いた。

 現在67kg級のトップである下山田とは対戦経験があり「最初から流れを持っていかれてしまった」と振り返った。今大会の優勝を飛躍のきっかけとし、上垣は「来年くらいから世界を見据えられるようにして、成長した姿を地元・奈良の先生たちに見せて恩返ししたいです」と力強く語った。







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