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2018.08.12

【特集】実社会に出て成長、心の余裕を持って大舞台に挑む…男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード)


(文=布施鋼治)

山口剛(ブシロード)

 男子フリースタイル97kg級の山口剛(ブシロード)は、リオデジャネイロ・オリンピックへの道を絶たれた時点で、レスリングを辞めるつもりだった。就職先は新日本プロレスの親会社として知られるブシロードの子会社で、「KNOCK OUT」というキックボクシング大会を運営するキックスロードに配属された。

 「一社会人として、ちゃんと仕事をしてみたかった。もちろん苦しいこともあったけど、勉強になることや得るものが多かった」

 プレイヤーから裏方で競技を支える側へ。取材で訪れたキックボクシングのジムでは、のちにKNOCK OUT初代ライト級王者となる森井洋介の練習に大きな刺激を受けた。「時代をさかのぼるような、“ザッツ昭和”の猛練習を目の当たりにしました。森井さんの『人が見て感動する練習をしたい』という言葉を聞いて、正直いいなと思いました。科学的トレと非科学的トレの関係はアスリートにとって永遠のテーマだと思う。レスリングも科学的トレを続けていたら強くなるかといえば必ずしもそうではないですからね」

ジャカルタでも見られるか、師匠(永田裕志監督)の十八番、敬礼ポーズ

 復帰してからの活躍はいわずもがな。昨年12月の全日本選手権で優勝。先のプレーオフでは全日本選抜選手権で煮え湯を飲まされた赤熊猶弥(自衛隊)を14-8で下し、この階級の国内最強を改めて証明した。

 選抜から短い間隔で開催されたプレーオフで赤熊に雪辱できたのは、ピーキング(大会に向け、コンディションをベストの状態に持っていく技術)の仕方が上達したからにほかならない。山口は、一度実社会に出たことが大きかったと考えている。

 「客観的に状況を見ることができるようになったし、自分自身を見つめることが多くなった。リオを目指している時までは、『とにかく練習しなきゃ勝てない』と精神的にも自分を追い込んでやっていたけど、実戦の場で自分自身の力を最大限に発揮させるためには心の余裕がないといけない」

復帰初の国際大会(アジア選手権)で銅メダル獲得

 今年2月には復帰後初の国際大会となったアジア選手権(キルギス)に出場し、3位に入賞した。「約2年ぶりの国際大会でメダル獲得。それが最低限のラインだったので、僕の中では合格点でした」

 同選手権の大会前日には39度まで熱が上がるというアクシデントにも見舞われた。山口は、たぶん食事で何かが合わなかったんだと思うと分析する。「海外では初めて大会直前に体調が悪くなった。その中で勝ち上がっていけたことは自信につながりました」

復帰後初の国際大会となった3月のアジア選手権で闘う山口

 ただ、準決勝ではリオデジャネイロ・オリンピック3位のマゴメド・イブラギモフ(ウズベキスタン)に45秒でテクニカルフォール負け。その屈辱は忘れていない。「向こうのプレッシャーに対して自分が嫌がって離れようとしていたところがあった。次に同じように逃げたとしても、離れたところからタックルできるわけがない。どんどんもつれていかないと世界では勝てない。イブラギモフが来たら差してポイントをズラしながら闘いたい」

 アジア大会でほかに要注意するのはイランとカザフスタンだという。「イランにはU-23世界王者がいる(注=国内予選で敗れ、別の選手が出てくるとの情報あり)。カザフは山梨学院に在籍中のバグダウレット・アルメンタイ選手が出てくる可能性がある。ポテンシャルの高い選手なので、ジャカルタで闘う機会もあるんじゃないですかね」。具体的な目標はファイナル進出だ。

 「金メダルを目指し、最低でも決勝進出を狙います。アジア大会は4年に一度の大会で、メディアの注目度も高い。他の国の力の入れ具合も違ってくるでしょう。そんな大会で自分をステップアップさせたい」







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