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2018.09.02

【2018年アジア大会・特集(5)】銀メダル獲得にも、最後まで晴れなかった表情…女子76kg級・皆川博恵(クリナップ)


(文=布施鋼治、撮影=保高幸子)

日本女子最後の砦を守れず、表彰式でも今ひとつの表情だった皆川

 「日本のために金メダルを取りたかった」。ジャカルタ・アジア大会3日目(8月21日)に行われた女子76㎏級決勝。周倩(中国)に敗れた皆川博恵(クリナップ)に笑顔はなかった。記者からは「4年に一度の大規模な国際大会での2位なのだから、ほめられるところもあるのでは?」という質問も飛んだが、皆川の表情は晴れぬままだった。無理もない。皆川は日本女子レスリング“最後の砦”だったのだから。

 前日(20日)に行われた女子4階級では、50kg級の入江ゆき(自衛隊)の2位が最高で、世界チャンピオンの川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)と奥野春菜(至学館大)は3位に終わっている。

 皆川と同じ21日に68㎏級に出場した源平彩南(至学館大)は、対戦相手の度重なる反則行為に平常心を乱され、メダルを逸していた。アジア大会では2002年の韓国・釜山大会から女子が採用され、チームジャパンは金メダルが途絶えたことはなかった。

 周囲の期待を背負いながら皆川は決勝のマットに上がったが、その時には複雑な心境だったことを明かす。「プレッシャーはなかったと思う。その一方で金を取らなければならないという思いはありましたね」

ハンガリー世界選手権でも再戦の可能性、どう挑むか?

 現実は厳しかった。第1ピリオド開始早々、周倩からタイミングのいいタックルを受けると両足が揃ってしまい、簡単にテークダウンを許してしまう。第2ピリオド、皆川はがぶりから反撃のチャンスをうかがったが、逆に崩され、さらにピンチを招いた。試合終了間際、大逆転を狙ってタックルにいったが、すぐつぶされジ・エンド。0-8のスコアで完敗を喫した。皆川は「もう少しやれると思っていたのに…」と唇を噛んだ。

過去3戦全敗の相手に、今回もつけ込むすきがなかった

 「試合内容がひどかった。あまりにも差があったので(みんなに)申し訳ないです」。皆川にとって周倩は″アジアの壁″というべき存在で、過去3戦全敗。今年のアジア選手権(キルギス)とワールドカップ(群馬・高崎)でも敗れている。

 世界選手権でも当たる可能性が高い。だが、皆川は前向きにとらえている。「今までやってきた練習では追いつけないと思うので、考えて勝てるような練習をしていきたい」

 幸い、熟考するだけのキャリアは積み重ねている。そもそも皆川はけがで2016年リオデジャネイロ・オリンピックに出場することができず、一度は引退を決意した身。周囲から留意されて現役続行を決意すると覚醒し、昨年の世界選手権(フランス)では3位に輝いた。今回は総合大会で初のメダル獲得だった。

 今回の出場メンバーの中では唯一結婚している選手でもある。今大会に向けて(の調整で)サポートしてくれた夫を気づかった。「家事は(自分でも)しているけど、夫にも支えてもらっています」

 ここまで満足することはできない。世界選手権まで2ヶ月、皆川は再び当たる可能性の高い周倩を、“考えるレスリング”で攻略することができるのか。昨年の世界選手権の時のように、今年の同選手権でも試合後には笑っていたい。







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