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2018.09.05

【2018年アジア大会・特集(8)完】男子が主役となったジャカルタ、2ヶ月後のハンガリーでは男女とも主役となれるか

(文・撮影=布施鋼治)

大会の最後を飾った男子グレコローマンは笑顔でフィナーレ=撮影・布施鋼治

 主役は女子ではなく、男子だった-。ジャカルタ・アジア大会を総括すれば、そういう結論に達するのではないか。

 金メダルの量産が期待された女子は「0」に終わった。アジア大会の女子は2002年釜山大会から正式種目としてスタートしたが、それ以降大会ごとに必ず金を獲得していた。金メダルの連続記録が途切れてしまったことになる。笹山秀雄・女子強化委員長(自衛隊)は「女子は全員メダルが目標だったけど、取ることはできなかった」と肩を落とした。

 「試合を振り返ってみると、自分からタックルに入り込めていない選手が多かった」。中でも、2016年リオデジャネイロ・オリンピック63㎏級金メダリストで昨年の世界選手権60㎏優勝の川井梨紗子(ジャパンビバレッジ)が準決勝でモンゴルの63kg級世界チャンピオンにフォール負けしたショックは大きい。

日本チームの主役となった太田忍(ALSOK)=撮影・保高幸子

 「川井選手は組み手重視でやってきたが、(いざ試合となったら)タックルに入れるだろう、というところで入っていない。以前だったら、試合が始まってすぐ入るような感じだったのに。試合後、川井選手はリオなど過去の自分の試合映像を確認するように伝えました」(笹山強化委員長)

 西口茂樹・強化本部長はフリー、グレコ、女子で計5つの金メダルを獲るつもりだったという事前の計画を打ち明けた。「そうした中、太田(忍)君は頑張ってくれたが、非常に厳しい結果が出たと思う。女子に関していえば、僕らの考えが甘かった。『たぶん勝てるだろう』というつもりで来たら、勝てないことがよくわかりました」

 西口強化本部長が指摘するように、日本人選手の中でMVPを選出するならば、男子グレコローマン60㎏級で優勝した太田忍(ALSOK)だろう。不安要素を感じさせることなく順当に勝ち進み、決勝戦もフォール勝ち。2ヶ月後の世界選手権(ハンガリー)も大いに期待できる試合内容だった。

「これくらいで終わる日本の女子ではない」と西口茂樹・強化本部長

 松本慎吾・男子グレコローマン強化委員長(日体大教)は、太田はリオデジャネイロ・オリンピックの時のプレッシャーが戻ってきていると分析する。「これまでは手先だけでがぶっていき、逆に相手に懐に入られるというところもあったが、今回は以前と同じような強いプレッシャーからがぶり返しにつなげることができていた」

プレブドルジ(モンゴル)のアンクル・ピックに屈した川井梨紗子。ここを2失点で抑えれば、勝機は十分にあったとの声が強いが…=撮影・布施鋼治

 メダルにこそ到達しなかったが、ポテンシャルの高さを感じさせる選手もいた。グレコローマン77kg級で5位に終わった屋比久翔平(ALSOK)もそのひとり。あと一歩というところでメダルを獲得できたが、その一歩が踏み込めなかった。

 「3位決定戦の試合展開は僕の勝ちパターンだった。その中でいつも注意されている体幹のブレがでてしまって失点してしまった。最後にチャレンジして審判に判断を仰いだが、それに頼っている時点で駄目。しっかりと自分で取れるようにしたい」(屋比久)

 2ヶ月後に迫った世界選手権までに、どう立て直すか。とりわけジャカルタでは金ゼロに終わった女子の立て直しは急務だろう。だが、西口強化本部長は力強く胸をたたいた。「これくらいで終わる日本の女子ではない。ディフェンシブなところから変えていきたい。ハンガリーを見ていてください」

 昨年の世界選手権(フランス)では3スタイル合わせて6つの金メダルを獲得できた。ハンガリーでは、男子も女子も主役になれるか。







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