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2018.09.05

【2018年全日本学生選手権・特集】6点差をはね返して1年生王者へ…男子フリースタイル70kg級・基山仁太郎(日体大)

(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

6月の全日本選抜選手権に続き、全日本学生選手権も制した日体大1年生の基山仁太郎

 全日本学生選手権の男子フリースタイル70㎏級決勝は、学生の大会でコンスタントに上位に顔を出している伊藤駿(早大)と、6月の全日本選抜選手権を1年生にして制した基山仁太郎(日体大=三重・いなべ総合学園高卒)という顔合わせになった。

 最初に試合の主導権を握ったのは元気ハツラツで自由奔放という形容がぴったりのレスリングを武器とする伊藤。しつこい片足タックルによる場外ポイントで先制し、けさ固めからのニアフォールなどでポイントを加算していった。

 第1ピリオドが終わった時点で6-0。その時点では伊藤の勝利は動かないように思えた。 しかし第2ピリオドになると、徐々に失速していった伊藤と対照的に、基山はどんどん動きを加速させ、バックポイントなどであっという間に同点に追いつく。

 そして残り時間7秒というところで、場外ポイントによって逆転に成功した。終わってみれば9-6。試合後、基山は過去に6点差をはね返した記憶はないと興奮気味に決勝を振り返った。

 「いつもだったら(途中で)諦めていたかもしれない。でも、今回は最後まで攻めの姿勢を貫くことができました」。6月の全日本選抜選手権では乙黒圭祐(山梨学院大)の負傷棄権によって初めてシニアのビッグタイトルを手にしている。翌月のプレーオフでは、その乙黒と世界選手権行きの切符を争った。結果的に敗れたとはいえ、そうした経験が活きたか。

準決勝では米澤圭(早大)の3連覇を阻止

 今大会における勝負のハイライトは決勝だけではなかった。準決勝では階級を上げて3連覇を目指す米澤圭(早大)との初対決も実現させている。11-2で勝ち、スコア的には快勝だが、「米澤選手は組み手がうまくて、めっちゃ強かった。なんとか抵抗して、すきを見つけてアンクルホールドを決めて勝つことができたけど、次にやったら負けるかも」と、きつい試合だったようだ。

決勝は6点ビハインドをはね返しての勝利だった

 基山は今大会の目標は「3位以内」だったと打ち明ける。だったら。とてつもなく大きな自信になったのでは? 「そうですね。でも、その一方で課題もたくさん出てきた感じがします。もっと自分から攻めて自分から点数を取れるようになりたい」

 大会初日の8月28日に19歳になったばかり。三重・いなべ総合学園高時代は国体で2度の優勝はあるが、全国高校選抜大会とインターハイの優勝には恵まれなかった。大学進学によって眠っていた才能が開花したのか、ポテンシャルの高さでは10代の中でもずば抜けた存在といえる。

 それでも、基山は「ほかにもクリアしなければならない課題が山積み」と苦笑いを浮かべた。「まだ、力が周りの選手と比べると弱いので、もっとつけたい」

 結果だけに満足していないのは、さらに上を見据えている証拠。得意とする組み手からのタックルにいっそう磨きをかけたいと願う基山の顔には、直前の練習でできてしまったという引っかき傷が生々しく残っていた。







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