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2018.10.01

【特集】2018年世界選手権へかける(9)…男子フリースタイル61kg級・小栁和也(自衛隊)

《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》
《勝者の素顔=JWFフェイスブックインスタグラム


(文・撮影=保高幸子)

小栁和也(自衛隊)

 「初出場で初優勝を狙いたいですね!」と、ほがらかに抱負を語る男子フリースタイル61kg級・小栁和也(自衛隊)。昨年12月の全日本選手権と今年6月の全日本選抜選手権で優勝し、ストレートで代表の座を手に入れた。初めての世界選手権に挑む。

 長野・小諸ジュニアでレスリングを始めた。「いつも2回戦とかで負けていました」と中学時代までタイトルなし。高校でレスリングを続ける道は地元を離れた山梨・韮崎工業高校にあった。グレコローマンの強豪校で、昨年59kg級世界王者となった文田健一郎(ミキハウス)と同級生。

 小栁もグレコローマンを学び、全国高校選抜大会はフリースタイルで勝つとともに、JOC杯はグレコローマンでタイトルを獲得。2013年にはグレコローマンで世界カデット選手権(セルビア)で優勝するまでになった。

グレコローマンで培ったテクニックを生かす

 山梨学院大学に進んでからは2年生の秋にフリースタイルで新人戦のタイトルを獲得した。だが「チャンスに弱く、勝てる試合を何度も落とした」と言うように、プレッシャーに負けることが多かった。大学でフリースタイルに専念しても、卒業間際まで他にタイトルがなく焦りがあったようだ。「今、ここ(日本代表)にいることが、自分でもびっくりで」と笑いながら続ける。やっと「オリンピックを目指せる位置に来られたのかも、と感じている」-。

昨年9月のアジア・インドア&マーシャルアーツ大会では3位に入賞=撮影・保高幸子

 自身のレスリングについて「本能で戦うタイプ」と言い、攻守ともにアクロバティックな試合は会場を魅了する。相手の攻撃を受けても崩れないバランスの良さも魅力。また「グレコローマンで培ったテクニックがあるのは強みです」と語る。今年自衛隊に入隊し、体育学校では今まで以上にウエートトレーニングに取り組んだ。「筋力がついて、パワーも体幹もつよくなってきている」とフィジカル面の自信もついた。

 昨年の世界王者のハジ・アリエフ(アゼルバイジャン)が階級を上げたので、世界選手権で小栁の最大の敵となりそうなのは、同2位のガジムラド・ラシドフ(ロシア)と見ている。研究に余念がない。「差してくる選手なので、その対処ですね。でも、僕は差されてからも得意なので」と心配はしていない。むしろ「一番やりたい選手です。強いから、倒したい」と、闘争心を露わにする。

 もうひとつ、小栁を奮起させるのが、母校愛。今大会のフリースタイル代表は出身の山梨学院大勢が軽量級から5階級すべてを占めている。「世界で勝って、日本の軽量級、そして山梨学院の強さを証明したい」ー。

4月のW杯で昨年の世界3位を撃破!

今年4月のワールドカップで世界3位のキューバ選手を破った=撮影・保高幸子

 「優勝。最低限でもメダルは持ち帰りたい」と言うのは、ただのビッグマウスではない。4月のワールドカップ(米国・アイオワ)では、地元の米国戦と3位決定戦のキューバ戦に2勝し、日本フリースタイル33年ぶりのワールドカップ表彰台に貢献。中でもキューバ戦では昨年世界3位のヨウリス・ボン・ロドリゲス相手に終始リードを取り続け、9-6で勝つ大金星。「あの経験は貴重です。世界選手権でもかなり通用するという自信になりました」と笑顔。

 「プレッシャーには弱いけど、大舞台だと気持ちが高ぶってやる気が出ますね」と言うように、舞台が大きいほど、相手が強いほど力を発揮する一面もある。大舞台だからこその活躍を見せてくれる気がしてならない。







2023年世界選手権/激戦の跡
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