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2018.10.03

【特集】2018年世界選手権へかける(11)…女子55kg級・向田真優(至学館大)


《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》
《勝者の素顔=JWFフェイスブックインスタグラム


(文・撮影=樋口郁夫)

向田真優(至学館大)

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック後の非オリンピック階級に限った世界選手権だったとはいえ、向田真優(至学館大)は55kg級で優勝し、日本女子25人目の世界チャンピオンに輝いた。階級を53kg級に落として出場した昨年の世界選手権(フランス)。バネッサ・カラジンスカヤ(ベラルーシ)との決勝のラスト数秒、痛恨の逆転負けを喫し、世界女王の座から転落した。

 前半で6-0とリードし、楽勝ムードも漂った一戦。そんな試合を落とし、世界チャンピオンから転落した屈辱は、今も脳裏から消えない。いや、消してはなるまい。「その負けがあったので、きつい時でも頑張れました。あの悔しさがあったからです」。

 痛恨の黒星から1年2ヶ月。その間の2度のワールドカップ(W杯)で全勝。国内の闘いを勝ち抜いて世界選手権の代表を決めた。しかし、世界選手権で受けた屈辱は、世界選手権でしか晴らせない。階級は55kg級に変わったが、やっと、その時がきた。

昨年の世界選手権後の2度のW杯は、すべて圧勝での勝利

 屈辱の一戦は、6点を取ったことで「大丈夫」と思ってしまい、最後は守りに入ってしまったことによる失敗だった。相手の攻撃の圧力がすごかったのは確かだが、「最後に守ってしまう悪い部分が出てしまいました」。

昨年の世界選手権決勝、6-0とリードしながら、ラスト数秒の逆転負けに、ぼう然とする向田

 その反省からだろうか、その後の2度のW杯は攻撃の連続だった。53kg級で出た昨年12月のロシア大会では4試合、55kg級で出た今年2月の高崎大会は3試合の計7試合をこなし、6試合が10-0のテクニカルフォール勝ちで、1試合が4-0。この結果を見る限り、世界トップの実力を持っていることは間違いない。

 この2大会の結果だけではなく、世界チャンピオンに輝いた2016年以降の向田は、国際大会を含めてその大半がテクニカルフォールでの勝利。6分間闘うことになっても、ほとんどが無失点。昨年の決勝以外で最も多くのポイントを取られたのが2点だった。“あの一戦”だけが8失点での黒星。悪夢? 天中殺(天が味方してくれない時)? まったくもって不思議な敗戦だった。

 だが、そのおかげで、練習でくじけることがなくなり、攻撃の重要性をいっそう感じるようになったのであれば、価値ある黒星だったと言えよう。悔しさを忘れないため、負けた試合の記事を壁に貼るなどは多くの選手がやっている。向田の場合はスマホの待ち受け画面に銀メダルに終わった表彰式の写真を使っているという。

世界一に輝いたブダペスト、縁起以上に必要なことは気持ち!

ショートカットに変え、心機一転、世界一奪還に臨む向田

 オリンピックの中間年ともなると、世界トップの顔ぶれは固まってきており、各選手の得意技や戦術を分析し、対策を練る時期に入る。ビデオによる研究も必要だが、実際に闘うことによってこそ、その強さが分かり、実力差を感じることができる。実戦にまさる研究はない。

 向田はここ数年、多くの国際大会を経験している。今年の世界選手権の代表を決めた直後にも、志願して中国オープンに参加している。「出場が予想されるトップ選手とは、ほとんど闘っていると思います」と言う。今年末にはオリンピック階級の53kg級にUターンが予想されるが、55kg級での闘いを経験していることで、闘った選手の幅は広がっている。階級を上げての闘いを含め、すべてが東京オリンピックでの金メダルへ向けての布石と言えよう。

 その前に、今年の世界選手権だ。2016年に世界一に輝いたブダペストでの闘いというのも、縁起という意味では少なからず追い風となろう。だが、縁起だけでは世界一にはなれないのも事実。「気持ちで負けないように闘いたい」。世界選手権に臨む気持ちを、力強く言い切った。







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