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2018.10.16

【特集】2018年世界選手権へかける(24)…男子フリースタイル79kg級・高谷惣亮(ALSOK)

《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》
《勝者の素顔=JWFフェイスブックインスタグラム


(文・撮影=樋口郁夫)

高谷惣亮(ALSOK)

 京都・網野高3年生の2007年に全日本選手権2位となり、衝撃的な形で全日本チーム入りした高谷惣亮(ALSOK)。2011年に全日本王者に輝いたあとは、常に前向きな言動でチームを支えてきた。2014年の世界選手権で銀メダルを獲得し、実績でもチームのトップへ。

 昨年、文田健一郎と高橋侑希が世界王者に輝き、実績では一歩譲った形となったが、エースとは、実績だけではなくチームの内外から頼りにされる求心力が必要。世間に対するネームバリューも大きな要因となる。日本代表チームの牽引者となると、やはり高谷だ。12日の男子両スタイルの公開練習でも、選手を代表しての決意表明に指名されたのは、世界王者やオリンピック銀メダリストを差し置いて高谷だった。

鼻骨を骨折したが、悲壮感は全くなし!

 世界選手権とオリンピックを含めた世界大会には7年連続出場となり、79kg級としては初の世界選手権。しかし、10日の練習の若手選手とのスパーリング中、タックルで顔面を強打。鼻骨を骨折してしまった。試合まで10日という段階でのアクシデント。大きな不安を抱えることになったが、高谷の表情に暗さはなかった。

12日の公開練習、鼻骨骨折にもかかわらず積極的な攻撃を仕掛ける高谷

 報道陣に「(補強棒を入れたところの)写真、見ます? 口から血がドバーっとでてきて、看護婦さんから『泣いているの?』と言われて」と振ってきたり、「フェイスガードをつけて試合に出ますよ。バットマンですね」とおちゃらけたりで、相変わらずリップサービスのオンパレード。ぶつかってきた相手選手がずっと「すみません」と言い続けていることを暴露し、“格闘技にけがはつきものなんだ。何を気に病んでいるんだ”とでも言いたげな口ぶりで、思いやる姿勢を見せた。

 完治までには3ヶ月かかるそうだが、3日くらいすれば骨はくっつき始めるという。突進して攻撃するタイプではないことも、悲壮感を持たない一因なのかもしれない。「タックルは封印?」と水を向けられると、「それじゃあ(ニックネームの)タックル王子でなくなります。王子にはならなくてもいい」と答えた。

 「ぶつかった時の怖さは?」と聞かれると、「怖いですよ。もう一度折れたら、めちゃくちゃ痛いみたいですし」と言ったあと、「男前と言われていますから…。顔に傷がついた時の方が、ショックが大きくなりますよ」。周囲を明るくするコメントが続いた。

7度目の世界大会! 大きな緊張感はなし

昨年の世界選手権、米国レスリング界の英雄、ジョーダン・バローズにアンクルホールドを仕掛ける

 74kg級では減量がきつくなり、当日早朝の2日間計量実施を機に79kg級へ上げた。それでも全日本選抜選手権では減量でやや苦戦し、今大会は「体脂肪をゆっくり落とすとか工夫しないとなりませんね」と“改良”の余地あり。ただ、年末の全日本選手権はオリンピック階級の86kg級へ上げることを決めており、「落としすぎてもよくない。栄養士さんと相談し、無理ない減量を心がけます」と細心の注意を払う予定だ。

 7度目の出場ともなると、「世界大会だから何をしよう、どうしよう、という気持ちはないんですよね」と言う。外国でも74kg級でやっていた選手が79kg級で国際大会に出ているケースが多く、強豪のメンツはあまり変わらないと見ている。

 「今の自分のベストを出せれば、勝てると思う」。2014年世界選手権で銀メダルを取った時は、ベストコンディションだったとのこと。けがを明るさで乗り切り、日本のエースがブダペストへ向かう。







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