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2018.10.18

【2018年ユース・オリンピック特集】逆転勝ちで歴史に残る優勝の佐々木航(静岡・飛龍高)、銅メダルの山田脩(千葉・日体大柏高)は実力差を痛感


カデット世代でも日本グレコローマンが躍進! 金メダルの佐々木航(右)と銅メダルの山田脩

 【ブエノスアイレス(アルゼンチン)、文・写真=布施鋼治】第1ピリオドが終わった時点で0-7。ユース・オリンピックのレスリング競技第1日(10月12日)。男子グレコローマン51㎏級決勝で、日本代表の佐々木航(静岡・飛龍高)はギオルギ・トカーゼ(ジョージア)に絶望的とも言えるリードを許していた。

 相手の形で展開を作られ、がぶり返しで大きく投げられてしまったことが原因だった。セコンドに就いた高坂拓也コーチの証言。「くぐりとかぶり返しには気をつけろ、と指摘していたのですが、案の定、第1ピリオドにがぶり返しで大量失点を許してしまった」。それでも、佐々木が勝負を諦めることはなかった。インターバル中、セコンドの吉村祥子監督には覚悟を告げている。「勝ちに行きたい」-。

 敗色ムードが漂う中、なぜ佐々木は自分を信じることができたのか。それは出場の選手の中では、ほかの誰よりも練習して大会に臨んだという自負があったからからだ。「練習量は絶対に自分が一番多いと思っていました」

練習量の多さが自信となり、逆転へ…51kg級・佐々木航

 出場選手の顔ぶれが発表された時点で、今年の世界カデット選手権9位のトカーゼは佐々木が最もマークする相手だった。「間違いなく上がってくるだろうと予想していました」

優勝し、ウイニングランの佐々木

 第2ピリオドになると、佐々木は怒濤の反撃を開始する。相手の動きをすかしてバックを取る。さらに一本背負いの失敗を見逃さず背後に回り、4-7まで盛り返した。そして、大観衆がどよめくがぶり返しを決め、ついに8-7と逆転に成功する。試合中、相手が腕をつかんでいると執拗に抗議する場面もあったが(注=攻撃につなげず、がっちりとつかむだけの行為はコーションとなる場合がある)佐々木は全く動じなかった。

 「以前の自分だったら、相手にアピールされたら引いてしまうこともあった。でも、ユースではこの試合が最後。力を出し切ろうとだけ考えていました」

 その後も相手のチャレンジ失敗などでダメ押しともいえるポイントを追加し、逆転優勝をおさめた。その直後、佐々木は自分をここまで育ててくれた飛龍高・井村陽三監督への感謝を口にした。「先生の指導の下、ふだんから競り合った時の展開を想定したうえでの練習を積んでいます。追い込まれたら、逆に自分から追い込む。その成果が実戦でも出た感じがします」

 過去2度のユース・オリンピック大会で、日本の男子グレコローマンの選手は出場資格を取れなかった。したがって、日本選手の初の優勝として後世まで残る。高校生として最後の大会で、佐々木は大きな勲章を得た。

外国選手のパワーの強さを痛感…71kg級・山田脩

 同じく第1日に出場した71㎏級の山田脩(千葉・日体大柏高)は、予選リーグでロシアの選手に敗北を喫したが、3位決定戦でチュニジアの選手を下して銅メダルを獲得した。「ロシアとの一戦では、自分が有利に試合を進めていたつもりだったけど、一瞬力を抜いたところで相手にうまく合わされてしまった。やっぱり外国人の一瞬のパワーは日本人とは全然違う。決まったら抜けられない」

3位決定戦は勝ったものの、世界の実力を知った山田脩

 優勝を狙っていただけに気持ちは切れかけたが、山田は思い直した。「絶対メダルを獲るということだけを考えて、もう一度集中するように努めました」

 反対側のブロックから勝ち上がってきたのは今年度の世界カデット選手権12位のメフディ・マーフィ(チュニジア)。ブエノスアイレス入りしてからの練習で組み合う機会があり、山田は好感触をつかんでいた。「実際に闘ったら、自分の方が有利だなと思っていたので、気持ち的に楽にいけました」。第1ピリオド、山田はコーションを科してで先制点を奪うと、ローリングや場外ポイントでポイントを加算していき、第2ピリオドでテクニカルフォール勝ちをおさめた。

 メダル獲得は素直にうれしかったが、山田は予選で自分を破ったロシアの選手が決勝でモルドバの選手に敗れた一戦を目の当たりにして、手綱を締め直した。「決勝を見る限り、モルドバの選手との間にはまだ実力差があると痛感しました。精神面をもっと鍛えたうえで、自分の技を磨いていきたい」

 南極からの風が吹くブエノスアイレスで得た糧を胸に、山田はどこまで成長できるか。







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