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2018.10.18

【特集】2018年世界選手権へかける(28)…男子グレコローマン60k級・太田忍(ALSOK)

《JWFデータベース》《UWWデータベース》《国際大会成績》
《勝者の素顔=JWFフェイスブックインスタグラム


(文=渋谷淳、撮影=保高幸子)

太田忍(ALSOK)

 「まずは1勝。世界選手権に出たことがないですから。1勝ずつ積み重ねて、負けないで終われればいい」。2016年リオデジャネイロ・オリンピックの男子グレコローマン59kg級銀メダリスト、太田忍(ALSOK)が口にした世界選手権に向けての抱負である。

 太田の言う「1勝ずつ」は、ただ「油断しない」という意味とは少し異なる。マークしている選手の特徴を把握し、新たに出現するかもしれない強豪選手のことを考えると、自然に「1勝ずつ」となるという。太田が挙げたライバルは韓国(キム・スンハク)、キルギス(カニベク・ゾルチュベコフ)、カザフスタン(メイランベク・アイナグロフ)、ルーマニア(バージル・ムンテアヌ)。

アジア大会で日本唯一の金メダルを取った太田忍。世界選手権での日の丸がはためくか

 彼らの特徴は既に把握している。「キルギスはアジア大会とアジア選手権で対戦して勝っているけど、(相手だって)同じ負け方を3回もするはずがない」。韓国は「なんてったって投げがうまい。プレッシャーに弱いからオリンピックのかかった試合だと勝てないけど、世界選手権は強い。一番怖いかもしれない相手」。カザフスタンは「ちゃんとやれば大丈夫だと思うけど、動きが柔らかいですね」

 こうした相手に加え、「ポッと出てくる」若い選手にも要注意だという。「自分がオリンピックで負けた相手(イスマエル・モリーナ・ボレロ=キューバ)も、2015年の世界選手権で優勝して、翌年のオリンピックで優勝した。自分もそうだったけど、数ヶ月で一気に伸びる選手がいるんです」

 初戦から全開でいかなければ勝てない。だから1勝ずつ。世界を知る男ゆえの発言なのである。

しんどい練習に耐えて自信を100%へ

 試合が2日間になったことも、気持ちが引き締まる材料だ。太田に言わせると「2デーで試合をしたのは、実質、天皇杯(全日本選手権)だけ」というから、まだ2日間試合のコンディショニングに慣れていない(注=3月のブルガリアでの大会も2日間試合だが、2kgオーバー計量の大会であり、カウントしていないもよう)。

必殺のがぶり返しに磨きをかける太田

 「1デーだと、計量が終わればどれだけ体重が増えてもいい。自分の場合は、試合が終わると5kgぐらいは増えていた。だけど2デーでは、2日目の朝に2kgオーバーでの計量が待っている。1日目が終わってから、リカバリーをしながら体重をいかに落とすかがポイントになる」

 自分のレスリングを作り上げることにも余念がない。練習ではベースとする左構えからの展開で、足の位置や、重心の位置を細かく確認し、オリンピックで失点したグラウンド・ディフェンスを強化した。それでも、試合まで3週間を切った時点で、自信のほどは40%だという。

 「僕は基本、自信がない。そこをしんどい練習に耐えて100%に持っていく。100%の自信がないと勝てない。自信を持って技をかけられるか、自信を持って判断できるかが勝敗を分けると思う。紙一重の闘いでは、迷ったほうが弱いですから」

 銀メダルに終わったリオデジャネイロ大会は、100%の自信を持って臨みながら、決勝で敗れ、「過信だった」と振り返った。初出場となる世界選手権には、隙のない自分を作り上げて挑む。







2023年世界選手権/激戦の跡
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