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2018.10.19

【2018年ユース・オリンピック特集】快挙の尾﨑野乃香、高い志を持った鏡優翔


金メダルの尾﨑野乃香(右)と銅メダルの鏡優翔

 【ブエノスアイレス(アルゼンチン)、文・撮影=布施鋼治】尾﨑野乃香(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)が快挙を成し遂げた。ユース・オリンピック第2日(10月13日)、女子57㎏級で出場メンバーの中では最年少での優勝を果たした。その闘いぶりは、年齢など感じさせないほど実に堂々たるものだった。

 失点は予選リーグ初戦のメキシコ戦のみ。尾﨑はその時は極度のプレッシャーと緊張で体が動かなかったと振り返る。「自分のレスリングができなくて、大丈夫かな、と少し不安になったけど、試合が進むにつれ体もほぐれ、(自分本来の)素早い動きができるようになったと思います」

研究されても、その上を行っての金メダル…尾﨑野乃香

 この日、尾﨑は4試合闘ったが、中でもスゼル・アンナ・ヘラ(ハンガリー)との決勝が印象に残っているという。この選手とは7月の世界カデット選手権(スロバキア)の決勝で激突し、尾﨑がテクニカルフォールで勝利をおさめている。「その時は(十八番の)アンクルホールドだけで勝負を決めることができました」

観客席には尾﨑野乃香への応援日の丸

 しかし、同選手権を制したことで、尾﨑は同世代では完全に追われる身。案の定、尾﨑はこのハンガリーの選手も十分に対策を練ったうえで再戦に臨んできたと感じた。 「(私の)試合動画も出回っているので、研究もされる。でも、研究されたことに対して、また私が研究する。自分のレスリングを防がれた場合、どうやって対処すればいいのかを考えながら練習してきました」

 練習の成果は実戦の舞台でも十分に発揮された。第1ピリオド、尾﨑は片足タックルで崩して、しつこく回りながらバックを奪い、先制点を奪う。その後もアンクルホールドなどで追加点を重ね、第2ピリオドには場外際の攻防でバックを奪い10-0のテクニカルフォール勝ちをおさめた。

 尾﨑は、前日に男子グレコローマンの佐々木航が今大会で日本人初の金を獲ったことが「大きな刺激になった」と打ち明ける。「0-7からの逆転だったので、絶対に最後まで諦めないという気持ちを間近で見せてもらい、明日は自分が獲るしかないと心に誓いました」

自分が負けた後にできることは、最大限できた…鏡優翔

 同日、女子73㎏級に出場した鏡優翔(JOCエリートアカデミー/東京・帝京高)は優勝の大本命と期待されていたが、予選リーグ初戦でキューバ選手に敗れる波乱が起きた。鏡はブエノスアイレス入りしてから、このキューバの選手と練習する機会があり、最も警戒すべき相手だと肌で感じていたという。

この悔しさを忘れてはならない鏡優翔

 試合で当たるのは今回が初めてだった。第1ピリオドこそ鏡が1-0でリードしたが、第2ピリオドになって逆転され、そのまま試合終了のホイッスルを聞いた。「リーチが長いところが闘いづらかった。ただ、自分も正面で止まって、がっちり組み合ってしまったところがある。実力不足だと思います」

 それからは銅メダルを目指しての闘い。鏡は悔しい気持ちでいっぱいだったが、その一方で、「もう初戦と同じ思いだけは絶対したくない」と自らを奮い立たせた。そして、たどり着いた3位決定戦。ベラルーシの選手との対戦になったが、鏡にとっては世界カデット選手権1回戦で快勝している相手で、今大会前には練習で手も合わせている。

 「自分のレスリングを出し切れば勝つ」という決意を胸にマットに上り、場外際の投げなどで点数を重ね、10-0と圧勝した。

 表彰式。キューバの国家吹奏前、鏡は表彰台の上であふれ出る涙を抑えることができなかった。「本当は自分の力で君が代を流したかった。でも、自分が負けた後にできることは、最大限できたかと思います」

 吉村祥子監督は今大会を通して鏡は本当にメンタルが鍛えられたと振り返る。「高い志を持ち続けたからこそ3位になれたと思う。初戦に負けてからの道のりは本当に長くて、どうやって自分のコントロールしながら闘っていくのか。鏡にとっては本当に勉強になった大会だと思います」

 表彰式後、首にぶら下げた銅メダルについて聞いてみると、素の17歳に戻った鏡は本来の明るさを取り戻していた。「重いです。首がとれちゃいそう(微笑)」







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