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2018.10.24

【2018年世界選手権・特集】“挑戦者”で臨んだ大会、V2ならなくとも収穫は多かった…男子フリースタイル57kg級・高橋侑希(ALSOK)

無念の銅メダルだが、表彰式後はにっこり笑顔の高橋侑希

 【ブダペスト(ハンガリー)、文=樋口郁夫、撮影=保高幸子】2年連続世界一を目指した男子フリースタイル57kg級の高橋侑希(ALSOK)は、準決勝で欧州選手権2位のザウール・ウグエフ(ロシア)に2-7で黒星。この時点でV2の夢が消えたが、翌日の3位決定戦でU-23世界王者のレイネリ・アンドレウ・オルテガ(キューバ)に勝ち、メダルは確保した。

 高橋は「最低限の結果は残せたと思います。本当は一番輝いている色がほしかった」と、喜びの中に無念さも表した。気持ちのどこかで“怖い”という部分があって、「土壇場にならないと行けないという自分がいた。最後みたいに自分から攻めていけば、もっと楽にできるのに…。練習どおりにいかないもどかしさがある」と悔しさをにじませた。

 ただ、ラスト40秒の段階でリードされてしまっても、けっこう冷静だったもよう。「40秒あれば取れると思っていた。最後のタックルは狙っていた」と振り返る。終盤の強さがあることは間違いない。

1点をめぐる攻防、必死にタックルを仕掛ける高橋

 優勝を逃した8月のアジア大会に続いて「悪いところが見つかった」と言う。「勝つと(悪いところが)帳消しになってしまう。負けることで、どう強くなるかを考えられる」とも話し、修正できるところを修正し、12月の全日本選手権に向かっていく腹積もりだ。

 2連覇を目指したとはいえ、8月のアジア大会(インドネシア)で優勝を逃したこともあり、気持ちは完全な挑戦者だった。アジア大会の時は、負けて落ち込みがあったようだが、今回は「落ち込むことはない。次どう勝ってやろうか、とかいう気持ちが強い」と言い切るあたり、8月からは完全な挑戦者だった。

35歳のキューバ選手の世界初制覇に刺激を受けた

 前日、大きな刺激材料を得たという。来月35歳になるヨウリス・ボンネ・ロドリゲス(キューバ)が61kg級で優勝したことだ。「自分より10歳も年上の選手が優勝できるということは、ボクもまだ伸びる可能性があると思いました」との思いを持ったという。昨年世界一になったとはいえ、上には上がいることを再認識し、自身は発展途上であることを確認した。

メダルを確保し、安堵感いっぱいの高橋

 前日には他に、74kg級のジョーダン・バローズ(米国)と86kg級のハッサン・ヤズダニ・チャラティ(イラン)の連覇が有力視された選手が取りこぼし、勝負の世界の厳しさが展開された。「絶対」などないのが、世界最高レベルの闘い。慢心があれば言うまでもないが、なくても簡単には勝たせてはもらえない。

 高橋は「今年がオリンピック予選でなくてよかった」と言う。5位までがオリンピックの出場資格を得るので、今年がオリンピック予選でもよかったのだが、「3位では満足できない」「目標は金メダル」という思いを持っているからこその言葉だろう。

 銅メダルに終わったものの、上を見つめる気持ちはいっそう強くなっているに違いない。







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