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2018.10.24

【2018年世界選手権・特集】覚悟を決めてフリースタイルにUターン! 号泣の銅メダル獲得…男子フリースタイル92kg級・松本篤史(警視庁)


重量級選手やUターン選手の意地で取った銅メダルを見せる松本篤史

 【ブダペスト(ハンガリー)、文=樋口郁夫、撮影=保高幸子】日本重量級に光明が見えた! 男子フリースタイル92kg級の松本篤史(警視庁)が銅メダルを獲得。90kgを超える日本選手としては、1988年ソウル・オリンピックの太田章(フリースタイル90kg級)以来、世界選手権では1970年の鎌田誠(同)以来の世界のメダルを手にした。

 松本は「今まで何度か世界選手権に出させてもらい、すばらしいサポートがあっても、満足できる成績を挙げられなかった。オリンピックの次に重要視している大会で、銅メダルになったけど、メダルを手にすることができてうれしい」と、流れ落ちる汗の中、顔をくしゃくしゃして喜びのコメント。

 3位決定戦は開始早々に0-3とされ、「焦った部分はあったし、差しも研究されていた」との感触。しかし「これ以上離されてはいけないという気持ちと、自分のやってきたことを信じた」と諦めず、反撃を開始。グレコローマンで鍛えた差しで相手にプレッシャーを与え、徐々に相手のスタミナを奪っていき、終盤の逆転劇へとつなげた。

序盤の劣勢をはねのけ、中盤から攻撃を続けた松本

 メダル獲得の要因を問われると、「くじ運かな」と言って笑った。だが、初戦の相手は欧州選手権3位の選手。ここを突破できたのだから、くじ運で勝ち抜いたわけではあるまい。これまではいい組み合わせと思われても上位にはいけず、世界の壁にはね返されてきた。「スタミナでは絶対に負けていなかった。自分の持ち味だと思う。日本できつい練習をしてきた賜物だと思う」と話し、ハードトレーニングで培ってきた実力で勝ち抜いた。

 フリースタイルを長年やっていて、2016年リオデジャネイロ・オリンピックを逃したあとはグレコローマンに転向。今年からのルール変更を機に、またフリースタイルに戻った。「フリースタイルを裏切って、グレコローマンを裏切って」と表現するなど、それぞれに全力を注いで打ち込み、愛情を注いでやってきた自負がある。

 「グレコローマンで勝てないからフリースタイルへ戻った、と思われても仕方ないと思うけど、軽い気持ちでフリースタイルに戻ったわけではない」と話した時、こみ上げてくるものがあったのだろう、タオルに顔を埋めて号泣した。それを証明するため、何もできずに帰国することはしたくなかった。

グレコローマンの1年半は無駄でなかった

激闘を制した松本を井上謙二監督が祝福

 「グレコローマンをやった1年半が無駄でなかったことを証明できたのはうれしい。グレコローマン流の差しが役立った。タックルより、差して押すレスリングが自分のスタイルです。結果を出せてよかった」。フリースタイルの基本はタックルかもしれないが、重量級の場合はグレコローマンの闘い方も有効となる。それを証明してくれた30歳の“両刀使い”の快挙だったと言えよう。

 月の半分は家を空けて合宿や遠征をしてきた。家族や妻の実家にお世話になったことも、「初戦負けで帰りたくなかった。今まで何度もそれを経験してきたので、今回はお土産を持って帰りたかった」と思った一因だ。自身の両親も応援に来てくれており、「カッコいい姿を見せられたかな」と笑った。

 ただ、92kg級は非オリンピック階級。東京オリンピックへ向けて、86kg級が97kg級への変更を迫られ、新たな試練も待っている。「まだ時間があるので、コーチと話し合って決めたい」と新階級をどちらにするかの明言は避けたが、世界銅メダリストのプライドを胸に、東京オリンピックのマットを目指す。







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