日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2018.10.26

【2018年世界選手権・特集】2年連続の銅メダルだが、強豪を倒してのメダルがほしかった…女子76kg級・皆川博恵(クリナップ)


2年連続で銅メダルを手にした皆川博恵

 【ブダペスト(ハンガリー)、文=布施鋼治、撮影=保高幸子】「やりたかった…」。3位決定戦を数時間後に控えたウォームアップ場。対戦相手のザネット・ネメス(ハンガリー)の棄権を知らされると、皆川博恵(クリナップ)は一瞬ニコリとしたあと、そうつぶいたという。無理もない。どんな形であれ銅メダルを獲れたことは日々鍛練を続けるアスリートとして素直にうれしいが、その一方で、レスラーの性として勝って取りたいという本能が働いた。

 3位決定戦で闘わずして右手を上げられた皆川は複雑な胸中を明かした。「試合をするつもりで会場に来たので、やりたかったという思いが一番。でも、試合はしていないけど、メダルは取れた。そこは良かったかなと思います」

 前日の準決勝でネメスが足を負傷し、その時点で皆川が3位決定戦にまで進出するならば「俄然有利」という声も大きかった。地元開催ということを差し引いても、ネメスのけがは強行出場できるレベルではなかった。日本の重量級選手として連続してのメダル獲得は、浜口京子以来の快挙だ。しかしながら、記者団を前にした皆川の表情は最後までさえることがなかった。

世界チャンピオン相手に自分のレスリングができず

 「去年の世界選手権は、初めてメダルが取れたので素直にうれしかった。でも、今年は試合内容が悪かったので、去年と違いあまり喜ぶ内容ではなかったと思います」

昨年の世界チャンピオンに挑んだが、今年も及ばなかった

 皆川が試合内容を指摘する一戦とは、前日の2回戦で実現した昨年の世界チャンピオンのヤセミン・アダー(トルコ)との一戦を指す。第1ピリオドから守勢に回ってしまい、最後までチャンピオンの牙城を崩すことはできなかった一戦だ。アダーは、昨年の世界選手権3回戦で敗れた相手でもある。少なからず苦手意識があったのか。皆川は「強い選手を相手にしたら、自分の思った通りのレスリングが全然できない」と唇を噛んだ。

 「組み合った時に強いなと思ってしまったら、そこで様子を見てしまう。最初から強気でいることを心がけているけど、しょっぱなから相手のパワーを感じたら一歩引くところがある。相手のことは関係なく、最初から自分の動きができるようにしたい」

 この日に組まれた敗者復活戦ではサビラ・アリエワ(アゼルバイジャン)を一蹴。冒頭で記した幻の3位決定戦に進んだ。

強豪を倒さずに東京オリンピックへの道はない!

 昨年は2016年リオデジャネイロ・オリンピックの翌年ということもあり、リオ経験組の出場は少なかった。それから1年、今年は東京オリンピックを見据え、リオ出場者が戻ってきた感があった。しかしながら皆川が対戦を熱望していた強豪は反対ブロックに名を連ねた。

東京オリンピックへ向けてのライバル達とともに

 リオには出場していないアダー以外に強敵がいないという恵まれた組み合わせだけをとってみれば、皆川は“運を持っている”と見ることもできるが、本人の思惑は全く別のところにある。「誰かひとりでもオリンピック経験者と闘って倒せたらいいなと思いながらハンガリーに来たんですけど…。かなわぬ夢に終わってしまいました」

 相手が誰であれ、勝てばいいのではない。まだ闘ったことのない強い選手と対決して、自分の力量を計り、新たな課題を見つけたかったのだ。30歳を過ぎても、皆川は向上心の塊なのか。意中の強豪選手との闘いはお預けとなったが、東京オリンピック出場を見据え、皆川は来年の世界選手権についても言及した。

 「オリンピックへの出場経験のある選手を誰かひとり倒さないと、東京オリンピックの出場権を得るのは厳しい」

 昨年の世界選手権で3位に入賞した時、皆川は「ちょっとだけ東京オリンピックが見えた気がします」と発言した。それから1年、いまの皆川の立ち位置から東京オリンピックが遠のいた感はぬぐえない。目の前に立ち込めた霧をどう吹き払うのか。これからこそ“もっている女”になってほしい。







サイト内検索

JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。
《送信先》 jwf-homepage@memoad.jp


フェアプレイで日本を元気に