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2018.12.05

【2018年西日本学生秋季リーグ戦・特集】“早朝お散歩大作戦”が効果てきめん! 朝から全力出し切った中京学院大が悲願の優勝!

(文・撮影=増渕由気子)

10季ぶりのナンバーワンポーズを決める中京学院大メンバー

 馬渕賢司監督のマット内外での指導が光った優勝だった。西日本学生秋季リーグ戦は春季3位の中京学院大が6勝1敗の成績で10季ぶり4度目の優勝を飾った。地力では西日本ナンバーワンの戦力を持っていると言われながら、約5年間も優勝から遠ざかっていた。

 ここ4年間は2位が4回、3位が1回と優勝戦線に入るものの、あと一歩及ばなかった。馬渕賢司監督は「勝った時は選手のおかげ。負けた時は監督の責任」と、自分自身の指導力を課題に挙げていた。

 チームに足りないのは何か。馬渕監督は「初日の入りが、いつも全然だめだ」と気がついた。「学生は日中に授業を受けて、夕方~夜にかけてマット練習をする習慣がついているので、体が動くピークが夕方なんです」。試合開始時間は9時。早朝からピークを持ってくる必要性を感じ、ある作戦を立てた。

年間MVPの野﨑のモチベーションだった「馬渕監督を胴上げすること」も有言実行

 「9時に全力を出すには、最低でも数時間前に起きておく必要があるし、日光浴をして体内時計を正常にするため、7時に会場に到着して、約1時間、金岡公園内を散歩させることにしました」。

 これまではアップ時に、体が起きてない状態で臨む選手もいたようだが、今大会、全勝で大会MVPに選ばれた神田優人は「会場に着いてやるアップだけじゃ、気持ちの面でもまだ完全に起きてない。散歩することで、本気で行うアップのためのアップができた、という点では効果があったと思う」と振り返った。馬渕監督は「某有名駅伝監督じゃないけど、『早朝、お散歩大作戦』ってことですね」とニヤリ。

 

学生側の結論は「4年生が勝てないとチームは勝てない」

 今年の主将を務めた4年生の野﨑竜陽は、優勝の経験がない世代だ。「リーグ戦で負けると、何が必要なのかをみんなでよく話し合っていました。その結論は、4年生が勝てないチームは勝てないということ。試合の流れを作るのは上級生。その役割は自分だし、絶対に負けられなかった」と振り返った。

4年生が勝たないとチームの優勝はないというポリシーを優勝決定戦でも証明した野﨑(右)

 もう一つ、野﨑は春季リーグ戦で悔しい思い出がある。春は福岡大との最終戦で勝ったチームが優勝という事実上の決勝戦だった。86kg級の野﨑はチームスコア3-3で7番手に登場し、チームの勝負を委ねられていたところで、まさかのフォール負け。3-4と紙一重で優勝を逃した。「あの時は言葉が出ないくらい悔しかった。個人としてもチームとしてももう負けたくない」と誓った。

 その悔しさをばねにした野﨑の今季の活躍は素晴らしかった。西日本学生選手権は両スタイルで優勝し、全日本大学グレコローマン選手権は82kg級で優勝。大学王者のタイトルも手に入れた。地道に結果を残したことでチームの中心的存在となり、背中でチームを引っ張った。

 野﨑は「自分のモチベーションは、春負けたリベンジとお世話になった馬渕先生を胴上げすることでした。それがかなって嬉しいです」と、最後のリーグ戦での悲願達成に満足そうな笑みを浮かべた。

 監督も選手も優勝に必要なプロセスを見つけ出し、その壁を乗り越えた今大会。馬渕監督は「本当は、春に優勝したい。そうすれば秋も(同じ戦力だから)勝てる。今回は1敗をしてしまったので、次こそ完全優勝したいです」と、大き目標を掲げていた。勝ち方を覚えた中京学院大の時代が到来するか-。

 

6番手の田口が4勝目を挙げてチームの勝利を決め、喜びを爆発させる中京学院大ベンチ

大会MVPの神田優人(左)と年間MVPで全日本大学王者でもある野﨑竜陽







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