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2018.12.26

【2018年天皇杯全日本選手権・特集】健闘選手の声(男子フリースタイル)

(2018年12月20~23日、東京・駒沢体育館/取材=布施鋼治、渋谷淳、曽祢真依、熊木玲佳)


 ■男子フリースタイル57㎏級・山口海輝(日体大=決勝で高橋侑希を追い込んだが、試合終了直前にコーションをとられ逆転負け)「最後に逃げてしまったことが原因で決勝点を取られてしまった。自分の気持ちが弱いところだと思います。もうちょっと前に出る気持ちを持てたらよかった。

 今日はしっかりとタックルに入るという練習してきたことを出そうと思い、マットに上がりました。それができたことが決勝進出の要因だと思います。高橋選手は、たぶん世界に出てもメダルを獲ってくると思う。来年6月の明治杯ではしっかりと勝てるように練習したい」


 ■男子フリースタイル61kg級・有元伸悟(近大職=昨年、今年6月に続く決勝進出、今回も敗れる)「藤田選手は守りも攻めもすごく、安定していた。自分は取るべきところで取れず、なかなか得点に結びつかなかった。藤田選手はそれができていた。その差が敗因。

 (大会を通して)全体的に失点するタイミングが多かった。集中しているつもりでも、前に出ている足を取られたり、あまりうまくいかなかった。準決勝まではそこから取り返せていたが、決勝は藤田選手に抑えられた感じ。みんなのおかげでやらせてもらっているので、少しでも応えられるよう、できることからやっていく」


 ■男子フリースタイル65kg級・中村倫也(博報堂DYスポーツ=準々決勝で世界王者の乙黒拓斗に黒星)「周りは『拓斗は天才だ』とか言って、勝つことを諦めている中で、僕は心の中で『同じ体重の人間だし、勝てる』と思ってやってきた。半年前はけがをしていたが、今回ベストコンディションで迎えられて、自分も乙黒選手のレベルにいると思っているし、そんなに実力差はないと思う。ただ足を取った後と取られた後の展開が差になった。

 彼は日ごろからスピードのあるスパーリングをしているから、すぐに反応できるのだと思う。(乙黒選手は)守らせたら強い。攻めに関しては思っていた以上のものは感じなかった。勝つためには、自分が速く反応できるようになるしかない。それはレスリング以外のトレーニングでも身につけられると思うし、全部頑張っていきたい。練習すれば勝てる」


 ■男子フリースタイル65kg級・高谷大地(自衛隊=決勝で世界王者の乙黒拓斗に完敗)「きょうは1試合だけだったので、全力を出して、勝とうが負けようが納得のいく試合ができたらいいと思っていた。(決勝については)30秒しかやっていないし、構えてすぐ終わってしまったので振り返ることもない。相手は世界チャンピオンで、肝がすわっている選手だと感じた。(勝つには)相手を研究し、自分なりに練習して技を磨いていくくらいしか思いつかない。

 この大会のためにいろいろやってきたが、決勝で不甲斐ない試合になってしまったことが残念。(今年は)明治杯から始まり、苦しい時間が多かった。アジア大会で銀メダルを取っても、世界一の壁はすごく高いことを感じた。次はこのような不甲斐ない試合にならないよう頑張っていきたい」


 ■男子フリースタイル70kg級・瀬野春貴(世界選手権代表を破って決勝進出も、大学王者に敗れる)「今回で引退し、来年からは指導者の道に行くと決めている。今まで練習してきたことを全力で出し切った中での負けだった。本当に悔いはない。(逆転を許したが)守ったつもりもない。今までであれば後半で守って失点していたところだが、今回は実力でやられたと思っている。やり切れた。

 大学最初の2年間はグレコローマン専門でやっていて、本気でオリンピックを目指していた。けがもあり、この2年間はフリースタイルでやってきた。ここまできたら優勝したかったけど、フリースタイルでもグレコローマンで学んだことを活かし、今大会は集大成として出せたと思う。レスリングはもちろん、私生活でも今までいろいろな方々に指導していただき、サポートしていただいた。両親にも、大学まで好きなレスリングをやらせてもらって感謝している。今後は恩返ししたい」


 ■男子フリースタイル74㎏級・保坂健(自衛隊=世界選手権代表を争った藤波勇飛に決勝で黒星)「初戦や2回戦は見てしまう展開が多く、タックルを主体に攻めてポイントを取るという自分のレスリングがあまりできていなかった。決勝は思い切って攻めようと思い、先制点を取れた。でも藤波選手は対応力がすごい。次に同じアタックで行ったら、うまくカウンターを取られてしまった。決勝に関していえば、もう少し見ればよかったという思いもある。判断はちょっと難しい。

 藤波選手とは3、4回闘っているけど、一回も勝っていない。試合前、コーチに『視野を広く持て』というアドバイスを受けました。実際にそうやっていたら相手の攻撃も見えてよかった。でも、決勝では一瞬の対応力が藤波選手の方が高かった。その対応についていけるような練習をしていかなければならないと思いました」


 ■男子フリースタイル74kg級・山﨑弥十朗(早大=階級を下げの挑戦も、1回戦で木下貴輪に敗退)「木下選手が動けていて、完敗だった。技術も体力も向こうが上回っていた。今大会は『動き続ける』が目標だったので、どんどん前に行こうと思っていた。でも、木下選手は組み手やさばきがうまく、自分のいい位置に持っていけなかった。74kg級に階級を変更したのはオリンピックに向けて。自分がいけると思うところでも、0.5歩前に行けなかった。体力が足りていないが、体力を重視すると組み手がおろそかになってしまう面もある。自分のスタンスを確立したい」


 ■男子フリースタイル79kg級・井筒勇人(拓大=決勝で阿部侑太に敗北)「情けない。練習が足りなかったと思う。7月の練習中に膝のじん帯を痛め、きっちり治さないで10月と11月の大学の大会に出た。けがが治り切らないまま今年一番の大会を迎えてしまったことが情けない。先生にけがのことを伝えたら、『棄権して次の大会を目標にしよう』という正しい案を出された。12月になって、医者からも『じん帯だけではなく、はく離骨折もしている」と手術を勧められていた。

 でも、僕はずっとこの大会を目標にやってきた。『大会が終わったら手術するから出させてくれ』と先生に懇願して出させてもらった。こうやって勝てる試合も負けてしまい、『やれることがもっとあっただろうに』と感じています」


 ■男子フリースタイル86kg級・白井勝太(日大大学院=決勝で79kg級世界選手権代表の高谷惣亮にフォール負け)「世界選手権が終わってから、気持ちの整理がつかないまま試合してしまったことが敗因だと思う。この結果はなるべくしてなったもの。高谷選手がどうということではない。気持ちを悟られないように無理やり盛り上げようとしてきたが、やはり整理ができていない。このままでは相手選手にも失礼。準々決勝から精神的におかしく、弱気になっているのではないが、気持ちが追いつかない。体は万全だが、負けても世界選手権ほど悔しくない。疲れてしまって、これからどうしようか迷っている」


 ■男子フリースタイル97kg級・山口剛(ブシロード=今年の世界選手権代表決定プレーオフで破った赤熊猶弥に決勝で惜敗)「この1年を通して世界選手権やアジア大会に出させてもらい、海外の選手との実戦感覚をつかみ、海外で勝つための研究を重ねてきました。基礎体力もスタミナを含めて強化してきました。そうした中で、今日は勝負どころで取りに行くことができなかった。

 2020東京オリンピックで重量級でもメダルを獲る、という目標は変わっていません。今日の反省点をいかし、これからも海外の選手にいかに勝つかを考えて練習していきます」


 ■男子フリースタイル125㎏級・金澤勝利(自衛隊=決勝で荒木田進謙に敗北、2年ぶりの決勝進出実らず)「決勝の第1ピリオドは作戦通りだった。第2ピリオドも自分が攻めるようにしていたけど、周囲から見てそう見えなかったのは、自分の力不足だったと思います。最初は自分の方が押しているかなと思ったけど、途中から全然分からなくなってしまった。

 自分がアクティビティタイムを受けている時に場外に出されてしまった。あの攻防が勝負の分かれ目だったと思います。第1ピリオドで足を踏まれてグラウンドでもつれた時、『なんでアップにならないんだよ』と怒ってしまった。第2ピリオドでも、笛が鳴る前にたたかれて『オイッ!』と思ってしまった。もっと冷静に闘えばよかったけど、そうなれなかった自分が悪い」


 ■男子フリースタイル125㎏級・山本泰輝(拓大=世界選手権代表、初戦で田中哲矢に敗北)「チャンピオンのプレッシャーはなかった。今回は大学最後の試合だったので勝ちたかった。でも、(ここで)負けてよかったんじゃないですか。(東京オリンピック出場に向けての)最後の試合でなくて。相手はタックルを警戒して何も攻めにこないで、コーションばかり取りにくる選手だった。でも、そういう選手にも勝たないと(世界でも)勝っていけないと思う」







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