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2018.12.28

【2018年全日本選手権・特集】UWWも認めた急成長選手、6月は地に足をつけられるか…女子62kg級・川井友香子(至学館大)


(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

喜びのアクションはなく、淡々と勝利を受け止めた川井友香子(至学館大)

 「決勝前、足がフワフワしていました」。大会2日目(12月21日)に行われた女子62㎏級。熊野ゆづる(日大)を3-0で撃破した川井友香子(至学館大)は、淡々と試合を振り返った。「大丈夫かなと思ったけど、絶対勝とうと思いました」

 川井と優勝を争うと見られていた世界選手権65㎏級3位の源平彩南(至学館大)は、練習中のけがが原因で欠場したが、2020年東京オリンピックを目指して上下の非オリンピック階級、さらには2階級上からも選手が流入してきた。川井が初戦で激突した森川美和(日体大)は、6月の全日本選抜選手権では68㎏級で3位に輝いている選手だった。

 この日は前日に続いて早朝に計量があり、決勝までは時間があった。そのタイムラグが川井の足をフワフワさせたのだろうか。「自分では集中しようと思っていたけど、足がそうなるということは、どこかで集中力がなくなっていたのかなと思います」

 とはいえ、試合開始のホイッスルが鳴ると、川井は無心で闘った。「私は試合をイメージすると、体が動かなくなってしまうタイプ。だから試合の時には何も考えずにやろうと思っています」

 熊野と対峙した時もそうだった。ポイントを奪ったのは第1ピリオドのみ。第2ピリオドになると、お互いポイントを奪うこともないまま、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。「熊野選手とは今までに何回も闘っていて、お互いやることもわかっていたので慎重になりました」

狙ったら最後まであきらめないレスリング

 12月13日、川井は世界レスリング連盟(UWW)が発表したU23世代の女子「レスラー・オブ・ザ・イヤー」(年間最高選手)に選出されている。インタビュースペースでは、その質問が飛んだ時だけ少し笑顔を見せたが、今大会についての話題になると「勝っても、たまたま」という姿勢を貫いた。「正直にいうと、自分に自信がないから。運がよくて勝っているといつも思ってしまう」

8月の全日本学生選手権決勝でも闘った熊野ゆづるの攻撃を冷静にさばいた川井

 本当にそうか。第三者から見れば、川井はこの1年で急成長した一人に挙げられる。今年10月の世界選手権(ハンガリー)の決勝では、正面からタックルに行くまでは良かったがその後の崩しまでには至らない場面が目立っていた。それから2ヶ月、今大会では積極的に横から崩しにいくなどの改善点が見られた。

 今井海優(自衛隊)との準決勝では、自らのミスでポイントを奪われる場面もあったが、それ以上に川井のしつこく力強い攻撃が目立っていた。何よりも狙ったら最後まで諦めない闘い方はチャンピオンのレスリングにふさわしい。

 2016年リオデジャネイロ・オリンピック金メダリストの姉・梨紗子(ジャパンビバレッジ)と階級を交換するようにして62㎏級へ転向してから約半年。川井はこの階級に適した体を維持するための努力を怠らない。「食事の量と回数を増やし、体重が減らないように朝起きた時と寝る前にはプロテインを飲むようにしています。あとウエートトレ-ニングの回数も増やしていますね」

 62㎏級が合っていると思うかという質問が飛ぶと、川井ははっきりと答えた。「東京オリンピックの代表になって、初めてそう思えると思う。今の段階では、まだよかったとは思えませんね」

 東京オリンピック出場をかけた国内の闘いはまだ始まったばかり。来年6月の全日本選抜選手権には、傷も癒えた源平も出場してくるだろう。足元をフワフワさせている余裕はない。







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《オリンピック・レスリングNo.62》

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