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2019.03.15

【2019年全自衛隊大会・特集】ハイレベルのフリースタイル軽量級に参戦する元学生王者、大城一晟(第32普通科連隊)

体育学校入りを目前にしている大城一晟(第32普通科連隊)

 毎年3月に行われる全自衛隊大会には、一般自衛官として入隊し、駐屯地で勤務しつつ体育学校レスリング班への進路が決まった選手も出場する。5人制の団体戦に出場した第32普通科連隊の大城一晟(おおしろ・いっせい)もその一人。沖縄・浦添工業高校から国士舘大へ進み、2014年世界ジュニア選手権55kg級に出場、2015年に全日本学生選手権57kg級優勝という実績を持つ選手。1年間の雌伏(しふく=耐え忍ぶこと)を経て、はばたく時がやってきた。

 学生王者という実績はあるが、世界を目指す“プロ集団”の体育学校レスリング班に進むための成績は満たすことができなかった。それでも「レスリングを続けたい」という選手が選択するのが、このコース。入隊して最初の半年間は、一般自衛官としての勉強に追われ、レスリングから離れざるをえない大変さはある。

 しかし、大城は「学ぶことは多かった。レスリングをやっているだけでは経験できないことができました」と、プラスにとらえている。レスリングの技術研磨はできないものの、訓練の中には過酷な“肉体労働”もあるし、時間を見つけては筋力トレーニングをやって体力維持に務めたという。「レスリングの動画もじっくり見ることができました」と、レスリングと完全に断絶されたわけではない。

2015年全日本学生選手権で優勝した時の大城=撮影・矢吹建夫

 秋からは、レスリング班の練習に加わることができ、大会出場も認められる。11月の全国社会人オープン選手権は、そんな選手たちが、たまっているエネルギーを爆発させる大会。中には、大学時代の強さが影をひそめ、スタミナ切れは明らかという選手もいるが、「レスリングがやりたくて、うずうずしていた」と言う大城は、ここでしっかりと優勝を勝ち取り、自主トレを続けてきた成果を見せた。

 その1ヶ月後の全日本選手権では、同学年で卒業と同時にレスリング班入りしていた小栁和也(山梨学院大卒)に黒星を喫し、「毎日練習している選手に勝つには、まだまだでしたね」と振り返る。国士舘大の和田貴広監督からは「体が動いていなかったぞ」との感想をもらったそうで、大学時代の体力にはまだ戻っていないのだろう。「今からしっかり練習し、頑張っていきたい」と覚悟を話してくれた。

体の限界が来るまでレスリングをやるため、自衛隊を選んだ

 大学2年生で学生王者に輝きながら、肩のけがもあって3・4年生の時は優勝がなく終わったことに悔いが残り、現役続行を決めた。フリースタイルの最軽量級は、一昨年の57kg級世界王者・高橋侑希(ALSOK)、61kg級で現役世界王者を倒した実績をもって階級を下げる小栁を筆頭に、ハイレベルの階級。

圧勝続きだった大城、“プロ”でやっていくウォーミングアップは完了!

 大城の口からは、全日本選手権で高橋を最後まで追い詰めた山口海輝(日体大1年)の名前も出てきて、厳しい階級との覚悟は十分持っている。「自分の課題をひとつひとつ克服して頑張りたい」と気を引き締める。

 世界選手権予選ともなる6月の全日本選抜選手権は、出場資格がないので予選からの出場となる。卒業後のブランクのハンディがあるので、現実的に考えると、勝ち抜いて日本代表になるには時間が足りないかもしれない。しかし、自衛隊に進んだのは「体の限界が来るまでレスリングをやるためです」と、今年の世界選手権出場だけが目標ではない。長期的視野に立って実力アップを目指す腹積もりだ。

 「予選で勝つためにも、この大会で実戦を経験できたのはよかったです」。大城の実力からすれば、物足りなかったかもしれない大会だが、飛躍のウォーミングアップは完了。4月からの“プロ活動”に全力を尽くす。







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