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2019.04.08

【2019年JOC杯ジュニアクイーンズカップ・特集】復帰戦で順当に勝利、6月の決戦に向かう須﨑優衣(早大)と奥野春菜(至学館大)

(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

決勝(上写真)は慎重だったが、復帰戦を飾った須﨑優衣(早大)

 2人の世界チャンピオンが再起-。レスリング・シーズンの幕開けともなるジュニアクイーンズカップで、ジュニア50㎏の須﨑優衣(早大)と同53㎏級の奥野春菜(至学館大)が優勝した。ともに現役の世界チャンピオンながら、昨年12月の全日本選手権は欠場しており今大会が復帰戦だった。

 表彰式後、インタビュースペースに現れた須﨑は涙を流して話し始めた。「けが(左ひじの脱臼)をしてからの復帰戦。いい点も悪い点も見つけることができたので、本当に出られてよかったと思います」

 準決勝までは3試合連続で10-0のテクニカルフォール勝ちをおさめたが、決勝は、今年2月のクリッパン女子国際大会(スウェーデン)で準優勝するなど成長著しい吉元玲美那(至学館大)を相手に、アクティビィ・タイムで先制されるなど苦戦を強いられた。

 第2ピリオドになると、須﨑は逆に吉元を守勢に追い込み、2度に渡るアクティビティタイムで2点を奪い返し、1点差で逃げ切った。キッズ時代から含めると2009年から11年連続でこの大会を制したことになるが、須﨑は「決勝では自分のレスリングができなかった」と反省することを忘れなかった。

 「レスリングをやっていて初めてプレッシャーを感じました。ただ、このプレッシャーはチャンピオンになった者しか味わえないと思う。しっかりと乗り越えたい」
 
 全日本選手権欠場の要因となった左ひじは、しっかりとテーピングされていたが、もう違和感はないという。須﨑は、時には周囲から「待った」がかかるほどの練習の虫。けがのことを考えると、激しいスパーリングを日々の練習の中にどれだけ入れていき、どれだけセーブするかが問題になってくると思われるが、現在の須﨑は「今まで以上にやるしかない」と腹を固めている。

 「練習量は、何よりも自分の絶対的な自信になる。誰よりも練習して東京オリンピックを目指したい」。6月の全日本選抜選手権では、昨年の全日本選手権優勝の入江ゆき(自衛隊)、2016年リオデジャネイロ・オリンピック金メダルの登坂絵莉(東新住建)との三つ巴の争いが予想される。須﨑の真価が問われる大会になるか。

今度こそ実現するか、現役世界女王同士の対決

 一方、奥野は全4試合を無失点で突破するというシニアの世界チャンピオンの貫禄を示したうえでの優勝だった。「特に決勝は手堅くいこうと思っていました。テクニカルフォールやフォールというより、確実に取ることや、相手に足を取られてもしっかり切ることを念頭に闘っていました」

奥野春菜(至学館大)も優勝し、6月の決戦へ向う

 昨年の世界選手権で負傷した左ひじはまだ完治していない。昨年の全日本選手権は抽選で組み合わせが決まったあと、翌朝になって体調不良で棄権せざるをえなかったので、55kg級から階級を落とした向田真優(至学館大)との現役世界女王同士の対決はお預けになってしまった。

 過去、両者の対決は向田の8戦全勝。6月の全日本選抜では9度目の対決が実現する可能性が濃厚だ。奥野は「向田さんと自分は同じ立場だとは思っていない」と語気を強めた。「すごく高い壁に自分が挑戦している感じ。昨年の全日本選手権でも(直接対決が実現したら)真優さんが勝つと思っていたけど、そこに挑戦できなかったということは悔しい」。

 奥野と向田は同門とはいえ、立場は東京オリンピックを狙うライバル。最近は一緒にスパーリングをする機会もほとんどないという。東京が近づくにつれ、向田との争いはさらに激化することが予想される。勝利の女神はどちらに微笑むのか。







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