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2019.05.09

【2019年東日本学生リーグ戦に挑む】“鬼門の7連覇”を乗り越え、令和でも常勝の強さを見せられるか…山梨学院大

 2019年東日本学生リーグ戦は5月13日(月)~15日(水)に東京・駒沢体育館で行われる。今年は山梨学院大が7年連続10度目の優勝に挑む。過去、7連覇を達成したのは、1941年秋季~47年春季の早大(戦争による中断をはさむ)と、1979~85年の日体大(その後も勝ち続けて18連覇)だけ。早大は1年に春秋の2度行われていた時代の記録なので、7年連続優勝は日体大だけが達成した記録だ。

 V7を達成すれば、10連覇が視野に入ってこようというもの。昨年2位の拓大や、躍進する日体大を、どうさばくか。7連覇を目指す山梨学院大の戦力をさぐった。(文・撮影=樋口郁夫)

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乙黒拓斗、バグダウレット・アルメンタイの二本柱はいるが…

史上2大学目の7年連続優勝を目指す山梨学院大

 昨年のリーグ戦は、優勝したとはいえ日体大に4-3の勝利。11月の全日本大学選手権の大学対抗得点では日体大の後塵を拝しており、厳しい1年間だった。そこから、70kg級の乙黒圭祐(現自衛隊)と74kg級の藤波勇飛(現ジャパンビバレッジ)が抜けた今季は、さらに厳しい闘いを強いられることが予想される。

 18連覇を達成した日体大も、その間、常に盤石だったわけではない。最も厳しかったのが、7連覇を目指す1985年大会。日大に小林孝至(3年後のソウル・オリンピック金メダル)、角地山豊(同年スーパーチャンピオンカップ3位)、赤石光生(前年のロサンゼルス・オリンピック2位)、本田多聞(同オリンピック5位)と前年の大学王者4選手のほか、世界ジュニア王者だった金浜良(3年後のソウル・オリンピック代表)もいて、下馬評は「日体大の優勝は途切れる」だった。

 そこを勝ち抜いたことで“王者の魂”が強固になり、受け継がれ、いっそう強大なチームになったことは言うまでもない。奇しくも7連覇を目指す今年の山梨学院大も、抱負を聞かれた高田裕司監督の第一声は「今までを通じて、一番厳しい大会」-。戦力的には十分だが、負傷者がいることと、リーグ戦ルールの7階級での闘いが山梨学院大の優勝予想にブレーキをかけている。

ゴールデンウイークは恒例の自衛隊合宿で全日本トップ選手を相手に鍛えた。中央が高田裕司監督

 確かに、70kg級への起用が予定されている65kg級世界王者の乙黒拓斗(3年=東京・帝京高卒)、重量級の守護神である125kg級のバグダウレット・アルメンタイ(3年=カザフスタン)という二本柱がいて、他大学からすれば、うらやましい限り。

 しかし、乙黒はひざにばい菌が入って戦列を離れ、3月のワールドカップ(ロシア)と4月のアジア選手権(中国)を棄権した。4月下旬から普通に練習しているが、本来より1階級上でどこまでやれるかは未知数。乙黒に代わって65kg級での起用を予定していた榊大夢(3年=鹿屋中央高卒)も、乙黒と同じ病気で戦列を離れていたという。

 中量2階級で「確実」と言えないのに加え、JOC杯の92kg級を制した谷崎匠(2年=岐阜・岐南工高卒)、96kg級を制した大津拓馬(2年=長崎・島原高卒)という成長途上の選手が、昨年の全日本学生選手権86kg級王者の山田修太郎(2年=秋田・秋田商高卒)、そしてアルメンタイと、それぞれバッティングしてしまい(注=92・96kg級は実施されないため)、4人いても2勝としかカウントできないのが痛い。

86kg級で頼れる選手に成長した山田修太郎

 そんな状況下でも明るい材料は、山田がJOC杯86kg級でも優勝し、かなりの戦力になっていることと、昨年のインターハイ65kg級王者の榊流斗(1年=東京・帝京高卒)が即戦力の実力を見せていること。体重的に61kg級でも起用もできるので、この2階級でしっかり勝てば、4勝を割ることはないだろう。

安定感を増してきた86kg級の山田修太郎

 74kg級で昨年の東日本学生秋季新人戦優勝の横山凛太朗(3年=三重・いなべ総合学園高卒)が力を発揮すれば、5勝、6勝とマークすることもありうるが、高田監督は「決勝リーグは、3試合とも4-3のスコアを覚悟している」と言う。

 最注意チームは日体大。昨年の全日本大学選手権を制した57kg級の新井陸人と61kg級の山口海輝に加え、74kg級に3月のワールドカップで大活躍の三輪優翔と全日本選抜選手権70kg級優勝から階級を上げた基山仁太郎といて、「戦力がそろっていて、『勝とう』という気持ちが強くなっていることを感じる」と警戒する。

 「平成が終わって、山梨学院大の時代が終わった、と言われないようにしたいね」と笑ったあと、「6年間勝ってきた自信と誇りをもって闘ってほしい」と選手にエールを送った。







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