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2019.06.24

【特集】WWEのスターが日本レスリングを応援、凱旋帰国を迎える中邑真輔(青山学院大OB)

(文=布施鋼治、撮影=山内猛)

世界最大のプロレス団体WWEのスター選手に成長した中邑真輔

 世界最大のプロレス団体「WWE」で活躍中の元US王者・中邑真輔(青山学院大レスリング部OB)が5月下旬、プロモーションのために来日した。6月28日に東京・両国国技館で行われる公演ではユニバーサル王者セス・ロリンズに挑戦。翌29日に同所で行われる公演では、かつてNXT王座を争ったロバート・ルードと闘う。(WWE日本公演サイト

 2年ぶりの凱旋試合に中邑は饒舌だった。「両国はホームみたいなもの。楽しみでしようがない。控室でてっぽう柱(力士が稽古で使う柱)を突いてから試合に出ます(微笑)」

 中邑は中学を卒業すると同時にプロレスラーになろうとしたが、周囲から「高校に入ってからでも遅くはない」と説得され、元プロ野球監督の野村克也氏やタレントの太川陽介氏を輩出した京都・峰山高校へ。ここでレスリングを始めた。卒業後はスカウトされた青山学院大に進学する。7年間続けたレスリングに対する中邑の想いは強い。

レスリングの基本があってこそ、プロレスの世界でも成功

 「最初から最後までやり切った感はあります。高校も大学も、レスリングの練習はほぼ休みがなかった。大学時代は真面目に授業に出て単位を取って、授業に出なくてもいい時間帯に休みをとっている感じだった。途中で辞めず、継続してできたということは、僕の大きな財産になっています」

6月28・29日の東京公演のポスター写真、主役は中邑真輔だ©2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.

 昔からレスリング出身のプロレスラーは多いが、WWEもその例にもれることはない。「ハイスクールでやっていた選手も多いので、控室でレスリングの話をすることもあります。(カート・アングル、チャド・ゲイブルのように)オリンピック経験者もいますよ。コロラド州に行くと米国のオリンピックセンターがある。全米学生選手権で3位だったシェラトン・ベンジャミンは、ナショナルチームを引き連れてWWEの会場に来たりしていますね」

 プロレスのキャリアは18年を数えるが、レスリングをやっていたことは大きなアドバンテージになっているという。「基本的なテクニックは、レスリングを知っているのといないのとでは全然違う。スイッチ、とか言われても、普通の人だったら全然分からないじゃないですか(苦笑)」

 対戦相手と組み合うという部分でも、プロレスとレスリングは重なり合う。「基本的にプロレスも裸の格闘技。レスリングをやっていなければ、つかむ場所も分からない。レスリングをやっていたら人に体に触るので、人体の構造がわかる」

プロの世界にいても、心が躍る東京オリンピック

 中邑に関して特筆すべきは、青山学院大在籍中は美術部にも在籍していたということ。試合中に「イヤァオ!」とシャウトするなど超個性的なパフォーマンスでファンを魅了しているが、それは絵を画いていたことと無関係ではない。

4月の「レッスルマニア」で8万人を超える大観衆の前で闘った中邑真輔

「美術部に所属したといっても、単位を結構取り終えて出る授業もなかったので、美術部に入り浸って絵を書いていただけなんですけど(笑)。プロレスをやるうえでは役立っていると思います。リング上で表現するという意味では、いかに表現する側が面白いかという部分も重要だと思う」

 東京オリンピックまであと1年、中邑は海の向こうから日本代表を応援する予定だ。「僕の世代だと、20代前半あたりまで世界の舞台で活躍できる男子選手はほとんどいなかった。『やっぱり日本人は勝てない』と思い、人種の壁を意識しすぎていた気がします。自ら小さくなっていた部分もあったのでしょう。でも、今の世代はそういったネガティブな既成概念にとらわれないで、世界の壁を突破している。そういう姿を目の当たりにすると、『やってくれるなぁ』と感心しつつ心が躍りますね」

 舞台は異なれど、中邑はプロレスの第一線、しかも世界の第一線で闘い続けている。東京オリンピックの開催期間中、中邑の「イヤァオ!」というエールは代表選手たちの胸に届くか。

WWE(World Wrestling Entertainment)米国に拠点を置く世界最大のプロレス団体。かつてはニューヨークをテリトリーとする団体だったが、現在では全米と世界180カ国で展開する。2017年の年間の総観客動員数は210万人(北米170万、海外40万)で、年間売上は約800億円と言われている。今年4月にニュージャージー州のアメリカンフットボール場で行われた「レッスルマニア」は8万2265人の観客を集めた。中邑真輔は2016年1月に新日本プロレスを退団、WWE下部組織と言えるNXTを経て、2017年4月にWWEに昇格。世界を股にかけて闘っている。






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