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2019.07.07

【2019年世界選手権代表選考プレーオフ・特集】勝者の声/伊調馨選手の声

(2019年7月6日、埼玉・和光市総合体育館/取材=布施鋼治ほか、撮影=矢吹建夫)


※試合順に掲載。明治杯=6月の全日本選抜選手権

 ■男子フリースタイル125㎏級・荒木田進謙(athletic camp Lion=2年連続世界選手権代表の山本泰輝を4-1で破り、4年ぶりの世界選手権へ)「勝った瞬間、うれしかった。明治杯では何もせず試合が終わってしまった。今回は『自分から最初から前に出てポイントをとりにいこう』という気持ちで試合に臨みました。4年前(の世界選手権=8位)はとても悔しい思いをして日本に帰って来たので、自分だけは絶対にオリンピック出場枠を取るという強い気持ちを持って世界選手権まで練習したいと思います。

 一度引退した時には後悔していなかったけど、徐々に『もう少しできたんじゃないか』という気持ちが芽生え、今に至っています。東京オリンピックは、まだスタート地点に立ったにすぎない。スタート地点に立ったからには、自分の目標であるオリンピックでメダル獲得という目標に向かって走り抜けたい」


 ■男子フリースタイル74㎏級・奥井眞生(自衛隊=大激戦の末、藤波勇飛を撃破して世界選手権初出場)「僕のスタイルは前に詰めていくスタイル。その中でも最後まで攻め切ることが自分のレスリングだと思っています。今日は勝たないと意味がない試合だったので、勝ちに執着して闘っていました。最後はしっかり攻めて勝ち切れたので本当によかった。

 明治杯で藤波選手に初勝利をあげた時には結構調子が良かったけど、それから気持ちは少し落ちていた。どうやってモチベーションを上げていこうかということで、葛藤があった。最終的にはコーチ陣、先輩方、同期に励ましをもらって勝ちにつなげることができたと思います。藤波選手には今まで3戦やってきて1勝2敗と負け越している。五分五分にしたいという思いもあったし、(単純に)藤波選手に勝ちたいという思いもありました」


 ■男子グレコローマン77㎏級・屋比久翔平(ALSOK=全日本王者の小路直頌にテクニカルフォール勝ちし、3年連続で世界選手権へ)「小路選手は明治杯でも圧勝している相手なので、負けるわけにはいかなかった。最初のグラウンドの展開で決め切ることができなかったことが悔しい。どんな相手にも決められるようなリフトを追求していきたい。僕が日頃練習している日体大の基本は、常に攻め続けること。いつも通りやっていることをやったという感じです。

 4年前は、樋口黎も太田忍先輩も井上智裕先輩もアジア予選で出場枠を取った。(日体大の選手では)僕だけ枠を取れなかったので、今回は自分が先に決める気持ちでやっていきたい。大学の先輩にも後輩にも強い選手がいて、ひとつ上と下の学年を合わせると、僕らの代だけオリンピックに出てない。そういう意味でも刺激されているので、頑張らないといけない」


 ■男子フリースタイル65㎏級・乙黒拓斗(山梨学院大=明治杯で辛酸を嘗めさせられた樋口黎に雪辱し、2年連続で世界選手権へ)「3週間前に樋口選手に負けました。負けには慣れていなくて、それから苦しいというか、何をやっていいのか分からなくなってしまった。いろいろな方々に助けてもらい、サポートしてもらえたことで勝利を飾れたことはうれしい。特に兄(圭祐=自衛隊)は自分のことより弟のことを優先して考えてくれるので、すごく感謝しています。

 兄が(山梨学院大を)離れ、まだ僕は自立した選手にはなれていないことを痛感して、兄とちょっと会って練習をしました。兄には助けてもらったと思っています。(結果的に明治杯で)今後に生きる敗北を喫してよかったな、と思いました。(勝った直後に)泣くつもりはなかったけど、苦しかった分気がゆるんでちょっと泣いてしまいました。男として情けない」


 ■女子50㎏級・入江ゆき(自衛隊=須﨑優衣を6-1で下し、世界選手権初出場)「まだオリンピック出場が決まったわけではないので、うれしいですけど、まずは世界選手権に向けて頑張りたい。世界選手権は初めてなので、びびることなく闘えるように準備していきたい。この1年間、いろいろあったけど、自衛隊体育学校の方々や、(恩師である)小倉商業高校の辻(栄樹)先生など、いろいろな方々に助けてもらった1年間でした。

 今回新しいことはできないので、前回の点で悪かった点を修正して、自分から攻めるように心がけました。最後まで攻める、そういう気持ちを持ち続けることを意識して練習してきました。須崎選手は自分を成長させてくれた選手だと思います。登坂(絵莉)選手と合わせて、オリンピック・チャンピオンと世界チャンピオンと競り合えたことに感謝しています。世界選手権でメダルを取って、オリンピック(の枠を)勝ち取りたい。オリンピックは自分の夢でもあるし、応援してくれた方の夢でもあります」


 ■女子57㎏級・川井梨紗子(ジャパンビバレッジ=3-3ながらビッグポイントの差で伊調馨を撃破し、世界選手権へ)「あんまり記憶がないけど、勝ててよかった。明治杯が終わってから3週間、馨さんも前回と違ったふうに来ると思った。自分もしっかり考えながらやってきました。思い描いていた自分の作戦はあまりできなかった。結果として、普段やっている練習が自然と出たのでよかったかなと思います。

 (作戦では)タックルに入ってしっかり処理をしてテークダウンを取ること。簡単にはできなかった。至学館大での後輩との練習では、もつれた練習とか競っていく練習をやってきました。後輩たちも私に勝ちたくてやっていたと思う。私も下から追い上げられながらも、負けないように頑張ってきました。

勝利直後のジャパンビバレッジ応援席。最前列右が母・初枝さん

 ここ1年、自分の周りに想像もしなかったことばかりが起こって、自分を取り巻く環境も変わって、12月にはレスリングを辞めようと思って家族に相談しました。辞めなくてよかった。

 12月に負けてから、自分を思って応援してくれている人が想像以上にいることを知りました。自分が勝って喜んでくれる人がこんなにいるなら頑張ろう、という気持ちになりました。明治杯の時は、これまでにない緊張で闘うことが怖かったけど、勝ったあと、会社の人が喜んでくれ、これが見たかったんだと思いました。応援してくれた人が一番の支えでした」


 ■女子57kg級・伊調馨(ALSOK=川井梨紗子に3―3ながら、ビッグポイントの差で黒星、世界選手権の道が断たれる)「悔しい気持ちですけど、ここまでやるべきことやって準備してきたので、後悔はないです。自分が弱かったとは思わないです。梨紗子が強かった。復帰を決めてから、2年のブランクを埋める難しさもあり、やりがいもありましたが、ここまでやってきました。感覚がいかに重要なことか(を感じた)、そんな毎日でした。普通にやっていたことをやらなくなると、できなくなる。そこからでしか得られなかったものもありました。

 経験という観点でいけば、充実した1年でした。この会場にもたくさんの仲間、家族など、たくさんの人たちが背中を押してくれて、その人たちに世界選手権や東京オリンピックで戦う姿を見せられれば、と思ってやってきました。とりあえず見せることができなくなり、悔しいです。







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