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2019.08.29

【2019年全日本学生選手権・特集】大けがを乗り越え、無失点での完全復活!…男子グレコローマン60㎏級・鈴木絢大(日体大)

(文=布施鋼治)

全試合無失点で優勝した鈴木絢大(日体大)=撮影・保高幸子

 けがからの完全復活だ-。東京・駒沢体育館で行なわれた2019年全日本学生選手権・最終日(8月23日)。男子グレコローマン60㎏級は鈴木絢大(日体大)が制した。

 「初戦は足が動かないと思ったけど、いい感じで試合はできていたと思います。自分はローリングが得意なんだけど、その決めがちょっと甘かったのが課題ですかね」。とはいえ、全試合無失点でのテクニカルフォール勝ちという完全V。鈴木は大会1週間前に日体大の松本隆太郎コーチから「今回は無失点で優勝しろ」という課題を出されたことを明かした。

 「なので、ずっと攻めていないといけなかった(苦笑)。松本コーチの一言は結構プレッシャーになったけど、僕はプレッシャーを力に変えられる人なので」

 この大会を制するまでは長い道のりだった。昨年7月7日、大学2年だった鈴木は練習中に大けがを負う。左ひざの内側と前十字のじん帯断裂、さらに外則の半月版を損傷し、脛骨も剥離骨折するという“四重苦”に遭った。

 手術もしなければならなかったので、絶望の二文字しか頭に浮かんでこなかった。一時は「レスリングを辞めようか」と諦めかけた。思い止まったのは、周囲から「まだ先があるから」というあたたかい励ましがあったからだ。国立スポーツ科学センター(JISS)でリハビリするのも初めての経験だった。

 「JISSに行ったら、他競技のすごい選手たちがリハビリに励んでいた。だったら僕も頑張らないといけないと思い直しました」

文田健一郎、太田忍に続く“第3の男”になれるか

 当初は今年5月あたりからマット練習を再開できると聞いていたので、6月の全日本選抜選手権には間に合わないと予想していた。思った以上に回復は早く、予定より2ヶ月早くマット練習を再開する。それでも、鈴木は「最初は違和感もあったし、怖かった」と打ち明ける。

ブランクを乗り越えての優勝に、全身で喜びを表した=同

 「今までできていた技ができなかったり、スタミナが落ちていたりした。感覚を戻すのも結構大変だった」。そうした中、迎えた全日本選抜選手権での復帰戦。1回戦と準々決勝を突破した鈴木は、準決勝で大学の先輩で普段も一緒に練習する太田忍(ALSOK)と激突。いきなり4点を取られると、そのまま失点を重ね、結局、0-9のテクニカルフォール負けを喫してしまう。試合後、鈴木は久しぶりに試合に負けて泣いた。

 「自信もあったけど、ビッグポイントを取られて焦ってしまった。もっとできると思ったのに、ああいう結果になって悔しかった」。その後、東日本学生選手権で優勝して今大会を迎えた。印象に残っている一戦として、鈴木は同門・稲葉海人との決勝をあげた。「(稲葉は)ひとつ後輩なので、負けたらいけないという気持ちが強かった。ただ、お互い手の内は分かっているので、やりづらかった」

 今年の世界選手権には、ターゲット選手の合宿で現地に向かうことが決まっている。「海外の大会に2回しか出たことがないので、国際大会ならではの闘い方や体重調整をしっかりと学びたい」

 そのあとは国体に出場し、U23世界選手権(10月28日~11月3日、ハンガリー)の代表にも内定している。文田と太田のライバルストーリーで語られることが多い階級に、鈴木は“第3の男”として割って入ることができるか。







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