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2019.12.26

【2019年全日本選手権・特集】オリンピック3大会連続出場に一歩前進…男子フリースタイル86kg級・高谷惣亮(ALSOK)

(文=布施鋼治、撮影=矢吹建夫)

オリンピック3大会連続出場に挑む高谷惣亮

 2019年全日本選手権では、男子フリースタイル86㎏級で高谷惣亮(ALSOK)が全日本選手権9連覇を達成した。男子ではグレコローマン82・90kg級の森山泰年が14連覇、グレコローマン85・84kg級の松本慎吾がフリースタイルと合わせて10連覇という記録を残しているが、フリースタイルの連覇は高谷が最高となり、記録を更新中。

 決勝では成長著しい石黒隼士(日大)を6-0で撃破。完勝といっていい内容だっただけに、試合後はいつも通り高谷の独演会だった。「石黒君は馬力のある選手で、タックルで飛びこんできた。そこをうまいことさばいて、バック。そういう動きにつなげられたことがよかった」

 高谷自身はさほど記録にはこだわっていない。記者から9連覇達成を称賛されると、高谷は思い出したかのように「ああ、9連覇なのか」とつぶやいただけで、すぐに10位に終わった9月の世界選手権からの立て直しを話し始めた。「世界選手権で、お世話になっている(フィジカルトレーナーの)松栄勲先生とこれから先どうするかを話し合いました。世界選手権の敗北によって新しいトレーニングのメニューを組むこともできたので、あそこで負けて良かった(のかもしれない)」

 世界選手権後は、特に体力面を強化したという。そのおかげで「決勝でも最後まで動ける自信がありました。試合中、対戦相手が息を切らしている姿を見て、気持ちよくなりました」

初戦敗退(2012年)→7位入賞(2016年)…、2020年は金メダル!

 高谷は2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロと2回連続でオリンピックに出場している。今大会を制したことで、来年3月末に中国・西安で行われる東京オリンピック・アジア予選に出場する権利を得た。「ロンドンでは初戦敗退。リオでは7位入賞。そうすると、東京ではメダル獲得──、金メダル。そういうふうに考えています。僕はひたすらポジティブ。体の8割はポジティブで、残り2割はやさしさでできている」

終始安定した闘いぶりを見せた

 後者のやさしさは、今回、男子フリースタイル74㎏級で決勝まで進出した実弟の高谷大地(自衛隊)に向けられた。3回戦で大地が優勝候補のひとりだった藤波勇飛(ジャパンビバレッジ)を撃破したことを、高谷はまるで自分のことのように喜んだ。「ヤマ場である藤波選手との一戦を超えることができたので、弟も自信がついたと思う」

 準優勝と予想以上の活躍を見せた大地の快進撃の要因を、高谷は無理な減量をせず階級を74㎏級にアップしたことを挙げた。「極論ではあるけど、僕は『(過度な)減量は人をダメにする』という考えを持っています。弟が65㎏級で減量に苦しんでいた時期には『そんなに無理して何になるの?』という疑問しかなかった。そこまでして勝てたらいいけど勝てない。74㎏級で思い切った闘いができるようになった弟の姿を見て、お兄ちゃんは感動しました」

 過度な減量はしないという考えは高谷も実践しており、全日本選手権は74㎏級から79㎏級を経て昨年から86㎏級に落ち着いた。リオデジャネイロ大会には74㎏級で出場しているが、階級を上げたことで心境の部分に大きな変化を感じている。

 「やっぱり減量しないことが一番。楽しくレスリングができる。最近、本当にレスリングをやっていて楽しいと思うんですよ」

 アジア予選でも、楽しいレスリングで結果を残せ!







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