オリンピック・イヤーを迎え、トップ・プロレスラーからエール…東京スポーツ「プロレス大賞」授賞式

新春恒例のプロレス大賞授賞式

　東京スポーツ新聞社制定の「プロレス大賞」の授賞式が1月16日、東京・グランドプリンス高輪ホテルで行われ、昨年の世界選手権で優勝した男女3選手がレスリング特別賞の表彰を受けた。

　男子グレコローマン60kg級の文田健一郎（ミキハウス）、同63kg級の太田忍（ALSOK＝世界選手権時の階級）、女子57kg級の川井梨紗子（ジャパンビバレッジ）で、文田は2年ぶり2度目、太田は初、川井は4年連続4度目の受賞となる。

　賞を受けたあと、川井が「今年も来られたことをうれしく思います。今年は東京オリンピックの年であり、私は２回目のオリンピック。2連覇を目指しています。来年もここに呼んでもらえるよう頑張りたい」と、文田が「目標としていた東京オリンピックが近づきました。7年前に、東京オリンピックで金メダルを取ると決めた目標を達成できるようにまい進したい」と、それぞれあいさつ。

レスリング特別賞を受ける3選手

　東京オリンピックの代表を逃してしまった太田は「今年は東京オリンピックがあります。レスリング界が盛り上がるよう、少しでも力になれればいいと思っています」と話し、会場から大きな拍手を受けた。

　受賞の最後に登壇したオカダ・カズチカ（新日本プロレス）が、3選手を前に「2020年はオリンピック・イヤー。プロレス界も（オリンピックに）負けないよう盛り上げていき、その熱をレスリングの皆さんにつなげたい。選手の皆さんは金メダルの雨をたくさん降らせていただき（注＝プロレス界にカネの雨を降らせるという意味で「レインメーカー」がオカダ選手の代名詞であり、必殺技の名称）、その熱をまた受け取って、2020年をレスリングイヤーにしたい」と、今年にちなんだあいさつ。

　来賓としてマイクを持った日本協会の福田富昭会長は「オリンピックの年に、プロレスのオリンピックのような大会を開催するのもいい。世界中から強豪を集めて大会を開けば、もっと盛り上がると思う」と、やはりオリンピック・イヤーらしいコメントで返礼。レスリングとプロレスのタッグで、日本中に“レスリング熱”をつくることを提案した。

３選手とも式のあとは合宿に戻るため、ウーロン茶で乾杯！

　■女子57kg級・川井梨紗子（ジャパンビバレッジ）「毎年来させてもらい、1年が始まった、という気持ちになります。来年も来られるように頑張りたい。（今年は紅一点で）寂しいですね。来年は女子選手がたくさん来てほしいです。今年は、まず2月のアジア選手権（インド）でしっかり勝ち、オリンピックにつなげたい。インドで行われた2017年のアジア選手権は、一番いい勝ち方をした大会でした。食べ物に十分に気をつけ、もう一度、そうした闘いをしたい」

　■男子グレコローマン60kg級・文田健一郎（ミキハウス）「2年前の受賞の時、『来年も、再来年も』と思ったのですが、去年は来られなかった。2年ぶりに来られて、安心した気持ちになり、ここから東京オリンピックにつなげたい、という思いになりました。プロレスラーはオーラがあり、（話してみて）参考になることがたくさんありました。今年は、まずアジア選手権で勝ち、（3位だった）去年の借りを返したい。インドは2017年のアジア選手権で優勝した地です。腹を壊すこともなかった。その時を思い出し、万全の状態で迎えたい」

　■男子グレコローマン63kg級・太田忍（ALSOK）「世界チャンピオンになれなければ、もらえない賞。一生に一度で、もうないかもしれない。すごく光栄に思っています。プロレスは高校の時、柳井市（山口県）にプロレスが来た時に見に行き、レスリング教室の子供達と行ってリングに上げさせてもらったこともあります。華がありますね。（そんな中で）選んでいただいたことはありがたいです。今年も会社と（レスリングの）契約をしました。レスリングを頑張っていき、その中で、いくつかの選択肢の中から（進む道を）考えていきたい」