日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2020.03.10

【東京オリンピック代表選考プレーオフ・特集】周囲の支えで、どん底からの復活! オリンピック2連覇への道がつながった土性沙羅(東新住建)

冷静な試合運び。固いデフェンス、そして周囲のサポートで勝利をつかんだ土性沙羅(東新住建)=撮影・保高幸子

 「(登坂)絵莉さんがいたからこそ、ここまで来られたと思います」「自分一人ではここまで来られなかったと思うので、(支えてくれた人に)本当に感謝したい」-。

 試合直後の代表インタビューで、そして別室で待っていた報道陣の共同記者会見で、土性沙羅(東新住建)の口から、こうした言葉が何度出てきただろうか。4年前のリオデジャネイロ・オリンピックで金メダルを取ったとはいえ、勝負の世界は非情。左肩の手術でブランクのある選手に花を持たせてくれることはない。

 昨年9月の世界選手権(カザフスタン)では、結果として優勝することになるタミラ・メンサストック(米国)に敗れたのみならず、前年19位だったドイツ選手にも敗れてメダルを逃す不覚。追い打ちをかけるように、全日本選手権では大会直前にひざを負傷したこともあって準決勝で敗れ、「気持ちが切り替えられるかな、と思えるくらいどん底まで落ちました」という2019年終盤だった。

 支えてくれたのは、同期、先輩、家族、友だちなど。特に同じ所属の登坂絵莉(2016年リオデジャネイロ・オリンピック48kg級金メダリスト)は、自らはオリンピック連続出場の道が断たれたにもかかわらず、献身的なサポートをしてくれ、感謝の気持ちでいっぱいだ。引退宣言こそしていないものの、今は練習する必要がない立場ながら毎日マットに来て、練習へのアドバイスを送ってくれた。

人生をかけてやってきた勝負、勝つことに徹した

 負傷していたひざは、昨年12月の全日本選手権の時よりよくなっていて、練習もできている。しかし、まだ痛み止めの注射打っていて、肩とひざへの不安から以前のような攻撃はできない。負けたら終わりという一戦では、「無理矢理攻めず、落ち着きながら攻めることを意識しました」という作戦に徹した。

登坂絵莉(左)と同期の川井梨紗子がセコンドで支えた=同

 アクティブタイムの1点のあと、第2ピリオド、森川のタックルをしのいでバックに回って2点。このリードをキープし続けたが、ラスト1分くらいで場外に出されて1点を失い、3-1へ。ここでテークダウンを奪われたらラストポイントで負けとなる状況に追い込まれたが、固いデフェンスで森川の攻撃をしのぎ、終了のホイッスルを聞いた。

 「人生をかけてやってきたので、勝ててよかったです」。自分が取ってきた出場枠を他の選手に取られるのは、絶対に嫌だった。その気持ちも、この勝利の原動力となったことだろう。

 昨年の世界選手権で5位に終わったのは、自身の負傷によるブランクのせいではなく、世界のレベルが上がっていることも一因であることは言うまでもない。「東京オリンピックでは、今のままでは勝てないと思います」という言葉は、現実を知っての、まごうことない本心だろう。過酷なオリンピック2連覇に向け、「あと少しの期間しかありませんが、気持ちを入れて頑張りたいと思います。たくさんの方のサポートがあってのオリンピックなので、頑張りたいと思います」と力をこめた。







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に