日本レスリング協会公式サイト
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2020.06.14

「自粛から自衛へ」の中で聞こえる復活の足音! TEAMドン・キホーテがマット練習再開

マット練習を再開したTEAMドン・キホーテ

 第2波襲来の懸念も抱えながら、「自粛から自衛」への局面を迎えた新型コロナウィルス対策。社会活動の動きが活発になる中、スポーツ界も少しずつ動き出している。

 緊急事態宣言の解除が一番遅かった東京都にあるキッズ教室「ドン・キホーテ・キッズ・レスリングチーム」(TEAMドン・キホーテ)は6月13日、約2ヶ月半ぶりにマット活動を再開した。日本協会の定めたガイドラインに従い、人数も時間も通常の土曜日の半分にも満たず、打ち込みもない練習だったが、復活へ向けての序章が幕を開けた。

 レスリング場は、東京・上野の店舗ビルの7階にある。ドン・キホーテは日常雑貨を扱う店なので、緊急事態宣言下でも店はオープンしていた。社をあげて感染防止対策に取り組んでおり、客にも従業員にも感染者は出ていない。それだけに、高田浩也代表は「レスリング教室から感染者を出すわけにはいきません」と気を引き締める。

入口には消毒液(左)、エアコンと道場の2台の扇風機はフル稼働(右)

 レスリング場へ向かうエレベーター入口とレスリング場入口に消毒液が置いてあり、入念な感染予防を実施。練習前には消毒液でマットをきれいに清掃し、入口と窓の開放、エアコンと2台の扇風機のフル回転など、練習環境には万全を期している。

 ガイドラインによる「Ⅱ、緊急事態宣言解除後」の「引き続き自粛要請や警戒が必要な時期」は、マット 1 面あたり選手 6 名、コーチ 1 名までとし、選手同士が接触しないトレーニングの時期。部員は約20人いるが、この日は6人が集合。「体力を戻し、レスリングを思い出す」(高田代表)を主眼に、補強トレーニングとシャドー・レスリングを中心に約1時間、汗を流した。

“普通”まで時間はかかるが、マットの上では気持ちが高揚

 ガイドラインに従い、折り返し点の30分頃には練習を中断し、消毒液を使ってのマット清掃を実施。選手が固まって雑談しそうになると、「固まっちゃ駄目だ。距離をとれ」と感染防止対策は、念には念を入れた。

腹筋や腕立て伏せは壁に向かい、対面にならない工夫

 飛沫感染を防ぐため、練習中は選手同士が向き合うことなく、スクワットや腕立て伏せは壁に向かった状態で実施。補強トレーニングは、普通は一人が号令をかけ、他の選手が呼応する形で行われるが、掛け声は唾(つば)を浮遊させる可能性があるので中止。交代で一人のみが小さな声で号令をかけることとした。

 これはけっこう大変で、選手から「声を出せないのは、きつい」との声が上がった。高田代表は「経験ないから分からないよ」と苦笑いし、指導者にとっても手探りの状況のようだ。

 それでも「息を上げちゃダメ、ということはない。全力でやって体力を戻すんだ」と伝え、選手には厳しさを求めた。自粛期間中は、知り合いのクラブのオンライン練習に参加するなど、各自が工夫してトレーニングしていたとのことだが、個人差があるし、限度もある。「やはり体力は落ちていますね」と高田代表。

練習時間の折り返し点でマット消毒

 この日は雨のため中止したが、本来なら練習の最後に近くにある不忍池周辺や湯島天神の階段のラニングをする予定だった。今後は、ランニングも取り入れて体力を戻していく腹積もりだ。

 学校が通常通りになると、時差練習には限界が出てくる。電車で通う選手も多く、練習後は通勤時間帯と重なることになって感染の可能性も高くなるので、悩みは尽きない。しかし、約1時間の練習終了時には、「はや(早い)!」と物足りなさを口にした選手もいて、高田代表の表情は明るい。“レスリング人”は、マットの上こそが気持ちが高揚する場だ。

 だれも経験したことのない手探りの状況が続く中、“普通”に向けて動き出したことは間違いない。高田代表は「徐々に選手の気持ちも戻していきたい。みんなレスリングを習いに来ているので、組み合いをしたいと思うが、体力が戻らないうちにやったら危険。その日を目指して、しっかりやっていきたい」と気を引き締めた。


 ■堀池建太(中学3年)「自粛期間中でもランニングは毎日やるようにしていました。筋力面は、NHKの動画を見ながらやってきました。全国大会がなくなり、寂しい気持ちになりましたが、選抜(全国中学選抜選手権)はあると思うので、それに向けてやっていきたい。2ヶ月半ぶりにマットに来て、楽しい気持ちになりました」

 ■角本大地(中学3年)「YouTubeでトレーニングの動画を見て、ランニングや筋トレをやってきました。毎日動くように心がけていましたので、体力はそんなに変わっていないと思います。マットに帰ってきて気持ちが切り替わりました。全国大会がなくなるのは覚悟していました。次の大会を目指したいと思います」

自主トレはやっていたが、全体練習はやはり疲れる!

 ■岩崎航大(中学1年生)「この2か月間、毎日午後6時から1時間半、オンライン・トレーニングをやっていました。それでも、少し体力が落ちたと思うので、また頑張りたい。これから、みんなと楽しく練習したい。全国大会がなくなって残念でしたけど、その分、練習できる時間が増えたと思います。気持ちは落ちていません」

 ■加藤藍丸(小学5年)「この2ヶ月半、家で走ったり、腕立て伏せ、けんすいなどをやってきましたけど、体力は落ちていると思います。ずっと行きたかったマットに来られたので、うれしいです。全国大会に出てメダルを取りたかったけど、次の大会に向けて頑張りたい。ここ(レスリング場)で体力を戻したい」

 ■志賀隆太郎(小学5年)「家の階段を走ったり、トレーニンググッズで筋トレをやってきました。全国大会がなくなったのは悲しかったですけど、まだ来年があるので、頑張りたい。レスリングの練習ができるのはとてもうれしいです。気持ちは盛り上がっています」

 ■高田琉也(小学6年)「この2ヶ月半、たまに走るくらいで、あまり練習はできなかった。久しぶりにレスリング場に来て、久しぶりに会った人もいてよかったです。全国大会はなくなりましたが、(今後の)合宿とかで自分の実力を確かめたい。今後も気持ちを切らすことなく、できると思います」


▲全選手参加の練習再開を目指し、熱のこもった指導をする高田浩也代表

▲相手を想定してのタックル練習(シャドー・レスリング)

▲ローリング(上)やアンクルホールド(下)の練習も“単独練習”







2023年世界選手権/激戦の跡
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