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2020.07.23

【特集】幻となった地元インターハイ、「これから」を見据えて必死の努力を続ける…群馬・館林高校(下)

《上から続く》

地元インターハイでの快挙はなくなったが、これからも全国優勝を目指して邁進する館林高チーム。左端がオリンピック連覇の小幡洋次郎コーチ

 群馬・館林高校を指導するのは、1990年の高校二冠王者(全国高校選抜大会・インターハイ)で、監督としては2014年全国高校選抜大会でチームを準優勝(決勝は茨城・霞ヶ浦に3勝1敗から逆転負け=関連記事)に導いた針谷監督と、1964年東京・1968年メキシコ両オリンピックを制した小幡洋次郎コーチのコンビ。地元インターハイが決まってから、それを目指して指導を続けてきた。

 館林高校は、来年100周年を迎える。レスリング部は戦後間もない1949年に総部。1954・61・69年のインターハイ・学校対抗戦で優勝し、オリンピック王者の小幡洋次郎コーチ(前述)、同級生で世界チャンピオンに輝いた森田武雄さん(現市会議員)を輩出。

 最近では、2010年アジア大会2位の長島和幸(現福岡大副部長)や2012年ロンドン・オリンピック銀メダルの松本隆太郎(現日体大コーチ)、弟で2018年世界3位の篤史(現警視庁)らがいる。昨年も玉岡颯斗(現早大)が全国高校生グレコローマン選手権を制している。県立の普通科高校としては突出した伝統を持っている高校だ。

 推薦特待入試はないので、県外の強豪選手を引っ張ってくることはなく、全員が地元の選手。学校の方針として朝練習はできないなど(課外授業を実施しているため)、県立高校ならではの苦労ある。ただ、群馬県はキッズ教室が9クラブあり、そこで経験している選手が入部してくるので、部員の3分の2は中学までの経験者。

オリンピックV2の小幡洋次郎コーチの熱烈指導

 朝練習は、自主的にやる分には問題ないので、ランニングやウェートトレーニングをやっている選手はいる。「どんな練習が必要なのかを分かっている選手が多い。自主的に練習を組み立てることができる力がある選手ばかり」(針谷監督)と、全員が初心者というチームに比べれば、強くなる要素は多い。

練習の最後のトレーニングは、まさに“自主トレ”。各自が補強箇所の強化に励む

 何よりも、オリンピック王者からの的確な指導が大きい。OB会長を務めている小幡コーチは、たまに来て精神論や昔話を話して帰る“指導”ではない。栃木・足利市から約15kmの距離を毎日通って技術指導を実施。朝の自主練習にも顔を出している。

 スパーリングで選手が見合っていると、「スパーリングはゲーム(試合)じゃない。積極的にポイントを取りに行き、取られないようにする。その激しさで息が上がり、体力がついていく」と、攻める重要性を説く。

 各選手の特徴をしっかり把握しており、選手を呼び寄せて「レスリングはしっかりできている。パワーアップが必要だ」など、その選手に合わせた指導を展開。けがなどで姿が見えない選手がいると、「○○はどうした?」と聞くなど、一人ひとりが“自分の教え子”だ。

 コンタクトスポーツであるがゆえに、代替大会を実施しない県もあるので、群馬県は恵まれている。地元での伝統の復活はなくなったが、選手たちの気持ちは落ち込んだままではない。大学でのレスリング活動や、これからの人生を見据え、必死の努力が続いている。

▲インターハイと国体はなくなったが、10月の代替大会までチームをけん引する髙橋一輝・主将

▲2014年にチームを全国2位に躍進させた針谷豊監督

▲2014年全国高校選抜大会の表彰式。再び全国の表彰台に上る日は、いつか?







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