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2020.12.24

【2020年全日本大学選手権・特集】全試合5点以上の得点能力、大学王者に続いての日本一に輝く…男子フリースタイル61㎏級・小川航大(日体大)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

大学日本一のあと、順調に日本王者に上り詰めた小川航大(日体大)

 2020年全日本選手権の男子フリースタイル61㎏級は、11月の全日本大学選手権を制した日体大3年生の小川航大が初優勝を飾った。初戦は後輩の清岡幸大郎、準決勝で先輩の長谷川敏裕(日体大大学院)、決勝で同じく先輩の嶋江翔也(佐賀県協会)という、すべて日体大勢を下しての戴冠に、試合直後は「今まで最高が3位だった。優勝を達成できてよかった」と声を弾ませた。

 すべての試合で5ポイント以上を獲得しての勝利だった。本人が真っ先に上げた勝因は気持ち。「練習から負けをイメージしないようにと、コーチから言われていた。負けないという気持ちだけはぶれないようにした」。決勝では一度逆転されながら技を決め返して勝利をもぎ取り、言葉通りの気持ちの強さを感じさせる勝利となった。

 青森県の十和田クラブでレスリングを始め、全国少年少女選抜選手権で2年連続優勝を飾るなど早くからその才能を発揮した。その後はなかなか優勝まで手が届かずにいたが、青森・八戸工大一高に進んだ2017年の全国高校選抜大会で優勝。日体大に進学した2018年にJOCジュニアオリンピックを制し、世界ジュニア選手権にも出場した(結果は26選手中14位)。

 さあこれから、というときに見舞われたのがコロナショックだった。練習環境の変化を余儀なくされ、不安な日々を過ごしたのはどの選手も同じだが、このピンチでいかに自分を高めるかが勝負の分かれ目。小川は貪欲に自らを高めようとした。

2017年全国高校選抜大会で優勝した時の小川

 小川は「自粛期間中もできることはやっていた。やることをやっていたので結果が出たと思う」と胸を張る。具体的にはランニング、筋力トレーニングによってフィジカルを強化。もう一つ、食事を見直したことがターニングポイントになった。

 「これまで減量がうまくいっていなかったので、食事面を見直しました。バランスよく、を心がけ、あまり食べていなかった野菜を中心に食事を組み立てるようにしました」と小川。大学の先輩で2016年リオデジャネイロ・オリンピック銀メダリストの樋口黎(日体大助手)が野菜嫌いであることを記者に指摘されると、「先輩を見ていて、なるだけ(野菜を)食べようと思いました」とニヤリと笑った。

食生活の改善で競技力アップ

 食事の改善はすぐさま結果に結びつく。競技再開となって、11月の全日本大学選手権で強さを発揮し、決勝ではライバルの清水蛍汰(拓大)を下して初優勝を飾った。

日体大の学生とOB3選手を相手に、全試合5点以上を取って優勝した小川

 全日本選手権というビッグタイトルを獲得して自信をつけ、2024年のパリ・オリンピックをより強く意識するようになるのも当然だろう。61㎏級は非オリンピック階級であり、上げるか下げるかの選択を迫られそうだが、「東京オリンピックのあとの階級(区分)がどうなるか決まっていないので、それがはっきりしてから階級を決めてもいいと思っている」と冷静だ。コンディションづくりがさらにうまくなれば、階級を選択する幅も広がるだろう。

 まだスケジュールのはっきりしない2021年の目標を問うと、「出る大会すべてで優勝すること」と威勢がいい。これからもコロナ禍に振り回されず、しっかりと地力をつけていく意気込みだ。







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