日本レスリング協会公式サイト
JAPAN WRESTLING FEDERATION
日本レスリング協会公式サイト
2020.12.28

【2020年全日本選手権・特集】置き土産は強烈な首投げ! 後輩にエールを贈る…男子グレコローマン55kg級・片桐大夢(拓大)

(文=東京スポーツ新聞社・中村亜希子 / 撮影=矢吹建夫)

後輩に快勝し、勝負の厳しさを教えるとともにエールを贈った片桐大夢(拓大)

 代名詞である強烈な首投げが、後輩への置き土産になった。2020年全日本選手権の男子グレコローマン55kg級決勝。拓大4年の片桐大夢が同1年の塩谷優を2分21秒、9-0のテクニカルフォールで下し、大会3連覇を達成した。

 同門対決を制した片桐は「プレッシャーがものすごかったけど、先輩の意地を見せられた」と納得の表情だ。

 昨年の決勝も、片桐が高校生だった塩谷(東京・自由ヶ丘学園高)に1分7秒、テクニカルフォールで勝ち、2連覇を果たしていた。同じ顔合わせになった今大会の決勝。塩谷は拓大に入学後、1年生で全日本大学グレコローマン選手権を制覇した。伸び盛りの若武者が王者にどこまで迫るか、周囲の注目が高かった。

昨年に続いて期待のホープに快勝、実力の違いを見せる

 伸び伸びと動いたのは片桐だ。第1ピリオド、コーションで1ポイントを奪うと、2度のローリングで5-0。最後は首投げで4ポイントを奪取しホイッスル。「首投げなら片桐だ、と思われていると思うので、最後に投げられてよかった」と、後輩に身をもって勝負の厳しさを教えた。

5-0としたあと、首投げでとどめを刺した決勝

 一方で、「前と同じような負け方をして悔しい。もう少しできることがあったのではないか」と肩を落とす後輩に、「塩谷は緊張していたのか、練習の動きと違った。とても強い選手。来年の明治杯(全日本選抜選手権)で優勝できると思うし、このまま頑張れば世界選手権で優勝もできると思う」と、励ますことも忘れなかった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、例年とは違う環境で強化に努めた。4月から静岡に帰郷。近くにレスリング部がある学校がなく、体力トレーニングや走り込みで身体を鍛えた。組み合う練習をするため、門をたたいたのは柔道場。中学まで技を磨いた畳の上で、柔道選手を相手にレスリングをしたこともあった。

レスリングの総決算の可能性があるだけに、必勝を期した

 工夫しながら練習して迎えた今大会は、大きな節目となった。来年4月から、一般企業に就職する。今後の競技生活については「会社に入ってから決めたい」と話す。社会人1年目の新たな環境で、どこまで練習に時間が割けるか、試合のために休めるか、ともに分からないからだ。

昨年のアジア選手権(中国)は銀メダル! マットに残ってほしい人材だが…=撮影・保高幸子

 大学生活最後、もしかしたら人生でも最後になるかもしれない全日本選手権。必ず優勝できるよう、試合前、美容師の父に髪の毛を切ってもらう際、さりげない願掛けを頼んだ。「最後なので、金メダルを取れるように前髪だけ金色にしました。さすがに全部は勇気がなかったですが」。金髪が王者の強さに箔を付けた。

 喜び、悔しさ、楽しさ、苦しさ。あらゆる経験を積んだ大学生活を終え、新たな一歩を踏み出す。「レスリングが続けられるか分からないが、続けるとしたら頑張って、続けないとしてもレスリング人生をうまく生かせる社会人になりたい」

 どんな選択をしても、今後の人生もレスリングとともにある。







JWF WRESTLERS DATABASE 日本レスリング協会 選手&大会データベース

年別ニュース一覧

サイト内検索


【報道】取材申請について
-------------

● 間違いはご指摘ください
本ホームページ上に掲載されている記録や人名に誤りがある場合は、遠慮なくご指摘ください。調査のうえ善処いたします。 記録は、一度間違うと、後世まで間違ったまま伝わります。正確な記録を残すためにも、ご協力ください。


アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNSの投稿は卑劣な行為です。
BIG、totoのご購入はこちら

SPORTS PHARMACIST

JADA HOMEPAGE

フェアプレイで日本を元気に