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2020.12.29

【2020年全日本選手権・特集】オリンピアンの妻に支えられ、2024年パリを目指す!…男子グレコローマン87㎏級・阪部創(自衛隊)

(文=渋谷淳、撮影=矢吹建夫)

階級を上げ、アジア予選代表を破って日本一に輝いた阪部創(自衛隊)

 2020年全日本選手権の男子グレコローマン87㎏級は、昨年77㎏級で3位だった阪部創(自衛隊)が頂点に立った。

 大きな大会での優勝は2016年の全日本選抜選手権75㎏級以来とあり、「天皇杯は初優勝。久しぶりに優勝できてうれしいです」という言葉に実感がこもった。ちなみに神奈川大出身者が全日本選手権で優勝するのは初の快挙だった。

 これまで減量苦もあって思うような結果が出ず、東京オリンピックを逃した区切りで87㎏級に上げ、迎えた最初の大会だった。ウェートコントロールの呪縛から解放されてコンディションがよかったのだろう。

 2試合目となった決勝では、同じ自衛隊の同級生、東京オリンピック・アジア予選代表の角雅人からしっかりポイントを奪っての勝利。

レスリングができる喜びでコロナ禍を乗り越える

 「何連覇もしている相手で(全日本選手権は3連覇中)、すごく強かったけど、自分のやってきたことを出せ、最後は気持ちで勝てたのかなと思います」と激戦を振り返った。

77kg級でオリンピックに挑んだが、昨年の国体は87kg級で優勝していた

 さまざまな困難を乗り越えての栄光でもあった。悪夢に襲われたのは2018年6月の全日本選抜選手権のあとだった。ドーピング検査で陽性反応を示し、暫定的に資格停止処分を受けてしまった。

 調査の結果、薬の添付文書に成分が記載されていなかったことが分かり、翌年2月、日本アンチドーピング機構(JADA)が「過誤も過失もない」と認定。晴れて潔白の身分になった。とはいえ、その期間中、本人は生きた心地がしなかったろう。

 JADAの判断が下された矢先に待っていたのが新型コロナウィルス。多くの選手が戸惑いを見せる中で、選手生命が危ぶまれる経験をした阪部はちょっと違った。

 「コロナウィルスがどうというのは、あまり気にならなかった」。

 再びレスリングができる喜びをかみしめていたからこそ、コロナ禍でもまったく後ろ向きにならずトレーニングに集中することできた。

87kg級で世界に飛躍するため、体づくりが当面のテーマ

 この期間に結婚したことも大いにプラスに働いた。妻の成美さんは近代五種の2012年ロンドン・オリンピック代表という元トップアスリート。阪部は「考え方だったり、取り組み方だったりを学べている。すごくいいサポートを受けていると思います」と感謝する。意識の変化、家族の支え、階級アップという要素がうまくかみ合い、優勝という最高の結果に結びついた。

決勝は同門の角雅人が相手。6-3で勝つ

 東京オリンピック出場の道が閉ざされてしまったが、現在ターゲットにしているのは次の2024年パリ・オリンピックだ。そのためには、まず体づくりが当面のテーマとなる。87㎏級でいいパフォーマンスを発揮できたとはいえ、現在の体重は88㎏。「まだ体で劣っている部分があるので、しっかり食べてトレーニングをしていきたい。メンタルも強化したい」と本人も課題を十分に自覚している。

 勝利者インタビューで印象に残ったのは「(やっぱり)レスリングは面白いと思った」という言葉。心技体の充実を感じさせる27歳は、今後ますます面白い存在になりそうだ。







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